現代のテキスト 反「構造改革」 の感想

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参照データ

タイトル現代のテキスト 反「構造改革」
発売日販売日未定
製作者後藤 道夫
販売元青木書店
JANコード9784250202100
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

本書が出された2002年は、まさに小泉政権によって構造改革が強力に推し進められようとしていた時期だった。
郵政民営化を皮きりに、教育改革、労働市場自由化、各種規制緩和…

筆者は、政府の唱える「構造改革」がどのような意図を持ち、またどのような影響をもたらすのかを本書において分析した。
日本が構造改革を迫られた原因として挙げられるのは、経済のグローバル化と多国籍企業化である。
国内市場の飽和や円高により海外進出した日本企業が、自己の資本の自由な行使により利潤を上げるために日本の規制が邪魔となったのだ。

それまで日本は労働時間規制などはほとんど行われていなかったが、こうして海外の労働者との競争に巻き込まれていくことにより、日本の労働条件は一層の悪化を辿っていく。また、本社勤務のエリート社員が重宝される一方、単純労働に携わる労働者は非正規化され、地位が不安定化してゆくといったことが述べられている。
また労働市場だけでなく、教育を始めとした再生産領域の自由がもたらす影響に関しても深刻だ。
本書では、構造改革がもたらす社会の各方面への影響に関してこのように概括的に触れ、自由化一辺倒の構造改革を明快に批判している。

あれからおよそ10年が経ったが、日本経済は構造改革によって立ち直るどころか経済不況に巻き込まれてますます衰退し、
大企業の隆盛とワーキングプアの増大によって格差は一層拡大し、多くの人々にとって望まない社会情勢に陥っている。
それは、本書の見ていた方向性が正しかったということを示していると言えるだろう。

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