印刷革命 の感想

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参照データ

タイトル印刷革命
発売日販売日未定
製作者E.L. アイゼンステイン
販売元みすず書房
JANコード9784622018995
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » 印刷

購入者の感想

17世紀頃までの出版業界、教会、大学について。印刷術が、どのような影響を社会に与えたのか。
貴重な写本・知識は、盗まれたり紛失したりしないように厳重に鍵をかけて保管していた。印刷術ができたことで、考え方が変わる。たくさんの部数を印刷し、それぞれで保管すれば、書物として残る。継承できる。
(数学の世界では、特にそうだと思う)

写本では、間違えて写してしまっても、次に書物を写す人が間違えに気がつくことがある。なぜなら、聖書に関するものであれば、書物を写すのは、あらかじめ専門知識を持つ僧侶であったり、その道に詳しい人物が行うことになる。(間違えて印刷された十戒”汝、姦淫するように”と写植された聖書がある。写本時代なら、このような間違いが起こるはずがない)
ところが、印刷では。大量に誤植が出回ることがあっても、間違えたまま、知識が継承されていくことはない。
読み方のスタイルでも。かつては声に出して伝えた内容も、印刷では図版にて伝えることができる。図式は、音読することができない。音読を中心とした時代からの黙読への変化となっている。印刷された本を、個別にそれぞれ理解することになった。
これは、教会にとって最初のうちは好都合だった。布教のため。各国語で対訳された聖書が印刷された。聖書が各々に行き渡るようになると、新教と旧教の宗教対立となる。
カトリックは印刷術への検閲を強めていく。
自然科学の分野でも対立がでてきた。英国王立協会とイタリアのチメント学士院の例が挙げられている。(p.263)

”禁書”のレッテルを貼られた本が、イギリスやオランダなどでベストセラーになるというのは、今日と同じ。禁止されると読みたくなる。
ここで面白いのは、禁書とされたなかには、いわゆるトンデモ本と、科学的に裏打ちされた自然科学の本とが、玉石混淆となっていたことだ。今日なら、トンデモ本と学術書の区別が、ある程度つくはずであるが、当時はなかなか見分けが付かなかったのかも知れない。
印刷術の与えた影響(P.282〜)
創造活動の増加、旧来の思考法の内部変革、知識人と職人の交流。

図版が具体的、かつ面白い。

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