支那人間に於ける食人肉の風習 の感想

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参照データ

タイトル支那人間に於ける食人肉の風習
発売日2012-10-04
製作者桑原 隲蔵
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カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » アジア史 » 韓国・朝鮮史

購入者の感想

 魯迅の著作にも支那人が人肉を食らう記述があるが、今ひとつピンとこない。また水滸伝にも旅人を騙して酔わせて眠らせ、その後煮焼きして食ってしまう話は度々出てくるが、これも物語だろうと思っていた。

 ところがこの著作を読んでみると、支那では人の肉を食らうということ(cannibalism )が、古来慣習として行われていたということがわかる。これは中国だけのことかといえば、そうでもない。世界中に人肉を食った歴史が残っている。わが国でさえ存在する。天明の大飢饉の際には人肉を食ったという記述が、新井田大泉院の供養塔に残っていたといわれる。最近では、アンデス山中に墜落した航空機の生き残った乗客らが、死んだ他の乗客の肉を食ったらしいというニュースがあった。

 支那の場合、他の国々や民族と決定的に異なるのが、切羽詰まってのことではなく、それが慣習として長い間存続していたという事実である。著書は「史記」や「資治通鑑」などの古い文献から、また新しいものではアヘン戦争の頃の資料に至るまで証拠を挙げ、その慣習の存在を示している。

 支那人が人肉を食らう動機を著書は次のように整理している。
1飢饉のとき
2籠城して糧食尽きたとき
3嗜好品として
4憎悪の極み、怨敵の肉を食らう場合
5医療の目的で人肉を食用する場合
と、こうなるそうだ。それでも124はわかるとしても、3と5はなんということか。嗜好品として人肉を食らう人がいたそうだ。また、病気を治すためと言い、他人を殺し、薬としてその肉を食らうのだ。なんとおぞましいことか。そしてそれがつい最近まで存続していたという事実。もしかしたらまだ続いているのかもしれない。中国のどこかでは、いまだに人肉を食らう慣習が続いているのかもしれないと思うと、身の毛がよだつようだ。

 実に恐るべき本である。

 本書はなんと、中国における食人の歴史を丁寧な論証をもとに書かれた本である。

 著者は、中国史で有名な宮崎市定氏の師匠であり、支那学の創始者の一人。

 著者が言うには、中国では、殷の紂王の時代には既に食人の風習が中国にあり、アヘン戦争まではあったという。

 中国の裏面史とも言える本である。

対中問題もあり、過激な内容なのかと要らぬ期待をしていましたが、文献を基に冷静に検証がなされています。文章ならびに文献の漢文がが難解なのが難点。0

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