イスラム国 テロリストが国家をつくる時 の感想

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参照データ

タイトルイスラム国 テロリストが国家をつくる時
発売日販売日未定
製作者ロレッタ ナポリオーニ
販売元文藝春秋
JANコード9784163902111
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

「イスラム国(IS)」問題の根底の歴史から始まり、そして現状を客観的に深く解く文献は数少ないと思います。 いまの世界時勢下、本書は「イスラム国(IS)」を学ぶ良書ではないでしょうか。 ただし、以下2点に言及が足りない気がしました。①西欧諸国が「イスラム国(IS)」問題の解決に向かって具体的に何が出来るのか。 ②また著者の提言する「中近東に自分たちで考えさせる」という方法と可能性について。

  

イスラム国の正体は、スンニ派のサウジやオマーンが操った従来の国家形態を超えた武装集団である。
ナポリオーニの本書は、最も客観的にイスラム国をその誕生の歴史から紐解いている。なんと、イスラム国は、イラクとシリアという二カ国の戦争史に根ざしており、イギリス、フランスなど帝国主義勢力による、第一次大戦期の中東分割工作であるサイクス・ピコ協定こそがその史的根源であり、イスラム国とは歴史的且つ宗教的、そして民族問題なのである。CIAのアルカイダの派生あるいは、傭兵集団あるいは、モサドの傀儡などとして陰謀論的に論じられる側面だけを有している訳ではないことが本書を熟読すると読めて来ます。彼らの資金源は、間違いなくスンニ派諸国から供出されて、シリア、ウクライナなどの各国の武器ブローカーを経て米軍製の武器も流入しているのも確かです。

とにかく、既存のメディアの反テロキャンペーンの偏面報道を鵜呑みにしてもイスラム国を全面的に理解することはできません。本書では、イスラム国を誕生させた原因は、米軍のイラク戦争という事が理解できます。反テロを口実にした災害便乗型資本主義の暴挙が、従来の国民国家を超越したイスラム国という本物のテロ国家を誕生させたのは皮肉です。

本書は、イスラム国を理解する上で最良の書です。

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文藝春秋から発売されたロレッタ ナポリオーニのイスラム国 テロリストが国家をつくる時(JAN:9784163902111)の感想と評価
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