『資本論』の新しい読み方―21世紀のマルクス入門 の感想
参照データ
タイトル | 『資本論』の新しい読み方―21世紀のマルクス入門 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ミヒャエル・ハインリッヒ |
販売元 | 堀之内出版 |
JANコード | 9784906708529 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 |
購入者の感想
きわめてラディカルであり、なおかついわゆるソ連マルクス主義とは一線を画し、また、ネグリ、ポストン、ハーヴィーとも違い、マルクスの『資本論』を真正面から捉えている、決定的本である。「プロレタリアートの階級的立場」にたいしても、適切な内容となっている。『二一世紀の資本』の日本語訳をまつより、この本の方がよい。
本書の特徴は、第一巻から第三巻までを扱っている点にあると思う。『資本論』に関する入門書は数多くあるが、そのほとんどは第一巻のみを対象にしている。マルクスの価値論の正しい理解が、『資本論』全体の理解にとって決定的であるとして、価値論についての説明が、本書のなかで非常に大きな部分を占めている。
とくに前半部分は、『資本論』ないし資本主義に関する重要なテーマが簡潔に網羅されている。ドイツでは、研究者に限らず、幅広い層に読まれていると言われる理由がわかる気がする。
後半部分では、マルクスが十分に扱えなかった国家などに関する議論を果敢に展開しているため、たんなる入門書の枠を超えているのではないか。「マルクスの新しい読み方」の潮流にのっている点も、新鮮だった。
とくに前半部分は、『資本論』ないし資本主義に関する重要なテーマが簡潔に網羅されている。ドイツでは、研究者に限らず、幅広い層に読まれていると言われる理由がわかる気がする。
後半部分では、マルクスが十分に扱えなかった国家などに関する議論を果敢に展開しているため、たんなる入門書の枠を超えているのではないか。「マルクスの新しい読み方」の潮流にのっている点も、新鮮だった。