夢を叶える夢を見た (幻冬舎文庫) の感想
参照データ
タイトル | 夢を叶える夢を見た (幻冬舎文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 内館 牧子 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 9784344406377 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
世の中で現状に満足できずに夢を抱えて生きている人々を「飛んだ人」と「飛ばなかった人」に分け、つまり「現状を抜け出して本当に自分がやりたかったことを追求した人」と「夢を抱えながらも、現在の職が保証してくれる生活を捨てきれずに結局そのまま生きた人」に分け、両者において成功した人としなかった人について順に書いている。
面白かった理由はいくつかある。一つは、膨大な数の人に直接会って話を聞いた上で書かれている点。二つ目は―そこから必然的に出てくるものであるが―軽々しく結論づけることなく、各々の人間が持つ個別的で複雑な事情を大切に扱っている点。おそらくこれは、人間にまつわる曖昧な「灰色領域」を描写する際に文学が最も必要とする立場であるように思う。だからこそ、「やらないで後悔するよりも、やって後悔するほうがいい」という人口に膾炙するセリフにも、時に疑問を呈してみせることができるのである。また、インタビューをされている人たち全てが非常に魅力的に描かれているのは、個々の例を己だけの善悪の基準で裁くことを著者が拒絶しているからだろう。0
面白かった理由はいくつかある。一つは、膨大な数の人に直接会って話を聞いた上で書かれている点。二つ目は―そこから必然的に出てくるものであるが―軽々しく結論づけることなく、各々の人間が持つ個別的で複雑な事情を大切に扱っている点。おそらくこれは、人間にまつわる曖昧な「灰色領域」を描写する際に文学が最も必要とする立場であるように思う。だからこそ、「やらないで後悔するよりも、やって後悔するほうがいい」という人口に膾炙するセリフにも、時に疑問を呈してみせることができるのである。また、インタビューをされている人たち全てが非常に魅力的に描かれているのは、個々の例を己だけの善悪の基準で裁くことを著者が拒絶しているからだろう。0