鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア) の感想

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参照データ

タイトル鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)
発売日販売日未定
製作者鳥山 石燕
販売元角川書店
JANコード9784044051013
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

 Kindle fire 8 以上のサイズを持っているなら、文庫版よりもKindle版をお薦
めします。やはり画図は大きい方が見やすくて、迫力もあります。
 肝心の中身ですが、水木しげる先生が参考にしたと思われる妖怪が多数あります。
 ただし、妖怪ごとの解説はないので、あくまで作画当時の妖怪に対するイメージ
を理解するための参考資料として見るのがいいでしょう。

 日本の妖怪の基本形を作った画家の一人といわれる鳥山石燕(とりやませきえん)の妖怪画集全点収録!という小さいけれどお買い得な画集である。でるわでるわ、怖いもの、可愛いもの、可笑しい物、ただただ不思議なもの、と二百以上の妖怪がひしめきあって、あちこちめくって楽しめる一冊。

 「猫また」や「河童」など、確かに我々の思い描く「基本形」のようなものから、「わいら」「うわん」など、「すみません、説明がないんでなんだかわかんないんですが・・」といいたいようなもの。4番目の画集「百器徒然袋」あたりになると、画家のお遊びの色が濃くなったのか、琴や鞍、瀬戸物が化けたものなど、可愛い漫画にしかみえないものも出てくる。

 「今昔画図続百鬼」の一枚目「逢魔が時」は、塔のそびえる街並みの上空を怪しいものが過ぎていく図であるが、一寸心に残った一枚である。この「怪しいもの」の姿は何故か「入道雲に夕陽が陰影を与えればこのようにみえるかも」とおもわせる姿をしている。夕ぐれの空に何を感じるのか、「怪しいもの」を生み出す心はこんなところにあることを教えてくれる。

 最初の収録画集「画図百鬼夜行」の跋文に「詩は人心の物に感じて声を発するところ、画はまた無声の詩とかや。」とあるが、流石に狩野派に習った絵師、そう思って見直すとごちゃごちゃと書き込まれただけのような画にも、描き手の詩心がみえるような気がする。

 「画はまた無声の詩とかや」。この味わい深い一言で、一段と画集の拡張があがって感じられた。

 文庫版なので当然縮小されており、その分国書刊行会の発行した画集よりは迫力は減ってしまうが、あの「大きさ」でこの「数」をみるくどさは薄められてかえってよいかしれない。0

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