走れメロス (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル走れメロス (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者太宰 治
販売元新潮社
JANコード9784101006062
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » た行の著者

購入者の感想

新潮文庫を購入。各9編はそれほど長くはなく、寝る前の一時間くらいで一編を読める。「満願」にいたっては3ページという短さだが、巻末の奥野健男氏の解説では”気合いのこもった名人芸”と評されている。
 「走れメロス」は友情や正義のメッセージ性が表れていて、力強く明快なので、教科書に採用されるのも肯ける。その分かりやすさゆえに本作は息抜きにちょっと書いてみたという具合のものではないだろうか。かえって他編にはない伸び伸びとした筆運びが冴え渡っている。
 「富嶽百景」は集中でもっとも気に入っている。執筆で訪れた峠の茶屋での出来事を、眺望する富士山を背景に、とりとめもなく描かれている。なんてことはない物語だが、情景が目に浮かぶごとく、太宰の天才的センスが感じられた。
 「女生徒」は一人称の独白形式だが、男目線がちらと感じられるところもあり、女性になりきれない男が書いたという、妙に気色の悪さを感じてしまう。それとも男が秘める女性的な部分を抽出して見せたとでも形容するべきなのだろうか。

友情を描いた作品はいくつかあるけれども、これほど
読みやすい作品は他になかったと思います。
友情とはこんなに美しい、裏切られても人を信じよう、と
思わせてくれる一冊。太宰治さんの「人間失格」はとにかく文体が
難しく内容も込み入っていて大人向けだと思うのですが、
この作品は子供から大人まで読める本だです。

表題作「走れメロス」は教科書で読んだと言う人も多いはず。
当時は太宰治など気にかけなかった中学生も、大人になるにつれ、太宰といえば、「斜陽」「人間失格」が代表作であり、破滅的思考の持ち主で、数度の自殺未遂を繰り返し、最期もやはり自殺だった-
と言う事を知っているだろう。
その太宰が、、あの中学生の時に読んだあんな健全な作品を残していると言う事実。 そこに多少の矛盾や疑問を感じたら是非再読する事を薦める。
これは「走れメロス」をはじめ、いわゆる太宰中期、荒んだ生活を改め、人間として再起を計った頃の作品を集めたものである。
これを読むと、太宰がいかにまともな人間なのかがよく解る。まともであるが故に社会との軋轢が生ずる。それをニヒリズムに逃げるのではなく、真向から克服しようとしている。時々負けそうになりながら、じめじめと泣きながら、、。
その姿は「富嶽百景」に克明にしるされている。0

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