死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々　１ 少年チャンピオンコミックス・タップ！ の感想

阿部共実先生の新作は十代の少年少女のもやもやした感情やざらついた青春を描く11編のオムニバス形式の短編集です。というか、装丁から大体の想像はつくかと思いますが、解りやすく説明すると「空が灰色だから」と同じです。「空灰」の新刊だと言われても全く違和感ありません。なのでファンなら購入して損はしないでしょう。
敢えて言わせてもらえば、「ちーちゃん」「ブラックギャラクシー」と、それぞれ作者の2面性を連作という形でやって共に大傑作をものにした後だと従来の短編形式に些かの既視感のようなものも感じてしまいます。
これでも十分面白いので贅沢な願望かも知れませんが、この作者はもっと凄い爆弾をまだ隠してるんじゃないかなあと思ってしまい、出来ればもっと長編を読んでみたいとも思いました。