数学の教科書が言ったこと、言わなかったこと (BERET SCIENCE) の感想

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参照データ

タイトル数学の教科書が言ったこと、言わなかったこと (BERET SCIENCE)
発売日販売日未定
製作者南 みや子
販売元ベレ出版
JANコード9784860643904
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 一般

購入者の感想

想定されている読者像がよくわかりません。
著者と同じように数学に多少苦労しながらも何とか向き合ってこれた人ならば「確かに!」と共感できる部分はあります。
数学に特に苦労することなく教える立場になったために,分からない人の気持ちが分からない人には,ヒントになる部分はあります。
これら以外の人が読んでもよくわからないか,せいぜい「ふうん。それで?」という感じになってしまうのではないでしょうか。
ましてや,少なくとも第5章までは数学に対して苦手意識があり,何かモヤモヤを抱えている人が読んで解消できるような内容でしょうか。
第6章の微積分に関しては,何か疑問点を抱えている人が解決に至るのではと思うほど丁寧に書かれていますが,
第5章までの数直線などの前置きが長過ぎるので,この本じゃなくても…という気がします。

しかし,内容に怪しげなことは含まれておらず,むしろ最初から最後までがすべて順に繋がっていくように計算されているようです。
著者は自らを「数学に向いていない」などと謙遜していますが,抽象代数学をとてもよく理解しているからこそ書けた内容だと思います。
さらに著者の学生時代の苦労も,私のような上辺だけの理解で満足してしまっていた学生とは対照的に,
初めから数学の厳密性の部分を考えられる素地を持っていたかのようなエピソードばかりであって,
ひたむきに数学に向き合ってきたその姿勢には頭が上がりません。

私は勝手に,例えば平均値の定理や「限りなく近づける」など高校数学では厳密な定義や証明が避けられ,感覚的な説明になっているものが,微積分に限らず,この本では網羅され,分かりやすく説明されているのだと思い込んで読んでしまったために,少々期待はずれでした。
中身は万人受けするようなものではないが,一部の人には受けるような内容かと思われますので,
こういう人にこういうことを伝えたいということが明示的に書かれてありさえすれば,★5つとしたかったところです。

真面目で頑固でチャーミング。著者は、もしかしたら「結婚しない男」というTVドラマに登場する女医のような人なんじゃないか。そんなことをふと思ったら、この本が数学の教科書へのラブレターに見えてきた。
「そもそも小学校で、1,2,3,・・・という数を紹介した時から、これは『実数』という数のジャンルを紹介するための最初の一歩なのだということを言ってもらいたかったです(196ページ)」と教科書に注文を付けるところなど、あのドラマの女医のセリフ「私はあなたともっとキャッチボールがしたかったです」(うろ覚え)みたいじゃないですか?
「数直線の上に乗っているすべての数(実数)に対して、関数の値を計算できるように(定義)し、究極的にはそれをグラフの形(目に見える形)で表したいという、教科書の意向(212ページ)」という説明に、今まで頭の中でバラバラにあった三角関数指数関数対数関数がすうっと整列して、お互いに結び付いたようなすっきり感があった。理系の人からすれば、何を今さらなのかもしれないが、文系数学苦手の身にはラジアン登場の必然の説明同様、目からうろこでした。

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