魔道師の月 (創元推理文庫) の感想

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参照データ

タイトル魔道師の月 (創元推理文庫)
発売日2014-11-21
製作者乾石 智子
販売元東京創元社
JANコード登録されていません
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購入者の感想

一見,二人の人物の物語のように映りますが,実はもう一人,三人のそれという印象で,
彼らの視点を入れ替えながら進んでいくため,読み終えるまでに少し時間は掛かりますが,
数百年の時を巡る人や思い,その練り込まれた濃密な世界観にはただ圧倒されるばかりです.

ただ,多くを語らない話運びは,小さな『点』から一気に奥行きが出ることもあれば,
ピンと来ないこともあるなど,一概にうまくいっているとは言えず評価は難しいところ.
また,三人が動きただでさえ話が散り気味なのに,遠回りになってしまうやり取りが入り,
「さっきのあれはどうなった?」となる,話の組み立てのアンバランスさも気になりました.

このほか,最後はやや駆け足で都合が良く,プロローグも先への広がりはあるものの,
第一部にて抱いた期待に比べると,いささか尻すぼみになってしまったように感じます.

なお,巻末には妹尾ゆふ子さんによる解説(単行本版と文庫版)が収録されていますが,
シリーズ続刊の内容について触れすぎており,これはもうちょっと考えて欲しかったです.

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