愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3) (講談社選書メチエ) の感想

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参照データ

タイトル愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3) (講談社選書メチエ)
発売日販売日未定
製作者中沢 新一
販売元講談社
JANコード9784062582605
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

(1)では神話論、(2)では国家論、(3)では贈与論。志賀直哉から始まって、マルクス、モース、ケネー、親鸞、ラカン、宮沢賢治が登場する。おもしろいキャスティングだと思う。
映画の世界なんかはまさにそうなんだろうけど、「どんな作品になるか」ということは「どんな物語にするのか」ではなくて「誰をキャスティングするのか」ということでほとんど決定する、かもしれない。そういえば、「どんな会社になるか」というのは「どんな事業をするのか」ではなくって、「どんな人と会社を作るか」によって左右される、と『ビジョナリーカンパニー』という本に書いてあった。その通りかもしれない。ヒューレットさんとパッカードさんは、まず信頼できる仲間を集めてから「さて、何をしようか」と考えた。井深さんと盛田さんもそうだった。らしい。
これって、批評についても言えることだと思う。
ということで、内容はよくも悪くも非常に刺激的。ちゃんとこれ、二倍くらいの分量にまとめてほしいな。
個人的に印象に残ったのは、この箇所。「語りかけ」というテーマについては、最近読んだ川崎徹と重なっている。
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私たちのまわりで、何かが私たちに向かって応答するのをやめています。私たちがその何かに対して、「適切な問いかけ」をおこなうのに失敗しているからです。ペルスヴァルとは違って、その何かに問いかけをしなかったから、そうなっているのではありません。人間はうるさいくらいに饒舌に、その相手に話しかけてきました。しかし、話しかけ方、問いかけ方がまずいために、その相手は深い沈黙に入ったまま、応答を送り返してこないのです。
その「何か」のひとつが、「自然」であることは間違いありません。今日では科学が、もっぱらこの自然への問いかけ役の正統的な地位を独占している感があります。(…)
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人間が問いかける対象は、4万年の昔も、今も、変わらない。自然と、人間自身だ。対象が変わらないのに、問いかけ方は随分と変わってきた。現代社会における「問いかけ方」は決して普遍的なものではない。

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