マタンゴ [東宝DVDシネマファンクラブ] の感想
参照データ
タイトル | マタンゴ [東宝DVDシネマファンクラブ] |
発売日 | 2013-11-08 |
監督 | 本多猪四郎 |
出演 | 久保 明 |
販売元 | 東宝 |
JANコード | 4988104078384 |
カテゴリ | DVD » ジャンル別 » 日本映画 » 特撮 |
購入者の感想
職場で映画の話題になった時、50代の人達がこぞって「あれは恐かった」と評していたのがこの作品です。実際これは今見ても恐い。作りものの映像というだけでは済まされないような迫力があります。今回特典映像を見て分かったのですが、これは現場の熱気によるものであり、SFが今のようにエンターテイメント化する以前の「終末観」が底流にあるからなのでしょう。
映像的にも優れています。キノコを食べた時のトリップシーンはとても1963年の作品とは思えません(『2001年宇宙の旅』のスターゲイトのシーンはそれより5年後)。この映画は東宝の変身人間シリーズの最後となった映画です。『美女と液体人間』などが、ゴジラと同じく、現実の人間の恨み、悲しみを仮託して作品世界が作られているのに対して、『 マタンゴ 』はもはや人間存在の深淵にまで洞察が及んでいるようで、行き着く所まで行った1つの頂点であると思われます。この映画の公開の翌年は東京オリンピックが開催されるわけですが、高度経済成長の根幹を揺すぶる、こんな作品がすでに作られていたことに驚嘆します。色々な社会問題を告発した1970年前後の円谷作品の先駆けともなっているのです。
〈追伸〉天本英世がクレジットされているので、ずっと「どこに出ているのだろう?」と思っていたのですが、何とあの怪人役! 彼のキャリア中の代表に数えられても良い怪演です。
映像的にも優れています。キノコを食べた時のトリップシーンはとても1963年の作品とは思えません(『2001年宇宙の旅』のスターゲイトのシーンはそれより5年後)。この映画は東宝の変身人間シリーズの最後となった映画です。『美女と液体人間』などが、ゴジラと同じく、現実の人間の恨み、悲しみを仮託して作品世界が作られているのに対して、『 マタンゴ 』はもはや人間存在の深淵にまで洞察が及んでいるようで、行き着く所まで行った1つの頂点であると思われます。この映画の公開の翌年は東京オリンピックが開催されるわけですが、高度経済成長の根幹を揺すぶる、こんな作品がすでに作られていたことに驚嘆します。色々な社会問題を告発した1970年前後の円谷作品の先駆けともなっているのです。
〈追伸〉天本英世がクレジットされているので、ずっと「どこに出ているのだろう?」と思っていたのですが、何とあの怪人役! 彼のキャリア中の代表に数えられても良い怪演です。