フェイク エクステンデッド・エディション [Blu-ray] の感想

アル・パチーノがチンピラマフィア役を演じているわけですが、そのダメ男ぶり、うだつの上がらなさぶりが光ってます。
マフィアとしては成功していないけど、やさしく仲間思いの彼の姿に、「まったくおまえさんは。。。」と心打たれます。
自分の第一の子分であるジョニー・デップ（実は潜入捜査官）に対しては、本当の息子のように、時に厳しく、時にやさしく、自分のマフィアとしての生き方を教えるシーンは、まったく切なくなってしまいます。
ジョニ・デップも潜入したばかりのころは、彼を小バカにしていたのですが、接する時間が長くなるにつれて、彼の素朴で一直線な人柄に魅かれ、自分の本来の目的（マフィアの壊滅）が本当に正しいことなのか悩むわけです。
というようにマフィア映画ですが、派手な銃撃やアクションが中心なわけではなく、二人の友情と、それを裏切らなければならないジョニー・デップの葛藤が丁寧に描かれている作品です。じんわりとちょっと悲しくなるお話。