たとへば君 四十年の恋歌 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルたとへば君 四十年の恋歌 (文春文庫)
発売日2014-01-04
製作者河野 裕子
販売元文藝春秋
JANコード9784167900175
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 歌集

購入者の感想

河野裕子さんが亡くなった後、NHKのドキュメンタリー番組で、夫君の永田和宏さんや娘の紅さんに口述を依頼してまで歌をやめなった姿を観ました。その映像は強く印象に残っていますが、長く記憶に残るという点では夫妻の相聞歌で綴られた本書のほうが上です。

河野裕子という歌人は、女性歌人にありがちなエキセントリックな自意識を感じさせない人だと思っていたけれど、それは元々の資質というより、永田和宏さんの存在によるところが大きかったようです。感性と知性どちらも豊かな男女が、それでも満たされない感情を伴侶として補いあう。逆に強すぎる感情のせめぎ合いや濁りは歌として結実、昇華される--こうして生まれた短歌作品はどれも静かなような、切羽詰まるような、酩酊感のような矛盾する感覚をこちらに抱かせる秀作揃いです。

40年分よりもっと河野さんの歌を読みたかった。このお二人がともにお年を召されてからの相聞歌も読みたかった、という願いがもはや叶わないのが残念です。手あかのついた表現ですが「心をうつ」という感想がぴったりの1冊です。

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文藝春秋から発売された河野 裕子のたとへば君 四十年の恋歌 (文春文庫)(JAN:9784167900175)の感想と評価
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