図説 ミケランジェロ (ふくろうの本) の感想

　ミケランジェロの生涯の伝記及び作品の解説と供に作品の数々の美しい写真が掲載されています。特に、ミケランジェロの代表作であり25歳の時に作成したサン・ピエトロ大聖堂にある「ピエタ」と29歳の時に作成したアカデミア美術館にある「ダビデ像」の写真は一ページを余白なく占めておりその美しさに感動します。そしてミケランジェロは本来は彫刻家であるにもかかわらず絵画でも天才的な仕事をした人であり、4年半の歳月をかけて作成し、37歳の時に完成したシスティーナ礼拝堂の天井画の全図写真が2ページを割いて掲載されており、この写真には圧倒させられます。この天井画は多くの区画から構成されていますが、その内、絵をクローズアップした写真を9区画分掲載しており、この天井画の素晴らしさがより明瞭に伝わってきます。

　他にもシスティーナ礼拝堂の壁画である「最後の審判」や晩年に病のために中断を余儀なくされた未完成のピエタ像など多くの作品が掲載されています。写真家の技術と著者の力量及び優れた印刷技術が可能にしたミケランジェロに関する優れた書籍です。