さびしい宝石 の感想
参照データ
タイトル | さびしい宝石 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | パトリック モディアノ |
販売元 | 作品社 |
JANコード | 9784878935947 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学 |
購入者の感想
主人公のテレーズは、父親が分らず、母親はモロッコで死んだと聞かされて育ちます。
あるのは幼い頃の記憶の断片、残された写真のみ。そのわずかに記憶に残る母親は、
自分に無関心だった、名前や出生に嘘をついていたといったものばかり。
「確かな愛の経験を持っていない」ということが、どれだけ空虚感を生じさせ、こわがりになり、周囲に嘘もつき、
自分の孤独を深めるかが、パリの街の雰囲気と見事に調和して語られていきます。
そして、この話はテレーズの再生のようにとれる一方で、まったく同じことが別の家族のなかで進行している。
記憶の断片は、断片のまま迷宮入りですが、テレーズも、周囲に登場する人々もやさしく、場面には時々あざやかな夢や記憶が入り込み、「子供へのネグレクト」といった重さはありません。
迷い子のようではあっても、個人で生きる人達の物語です。
「訳者あとがき」が良くて、謎解きができます。先に読まないほうがいいです。
あるのは幼い頃の記憶の断片、残された写真のみ。そのわずかに記憶に残る母親は、
自分に無関心だった、名前や出生に嘘をついていたといったものばかり。
「確かな愛の経験を持っていない」ということが、どれだけ空虚感を生じさせ、こわがりになり、周囲に嘘もつき、
自分の孤独を深めるかが、パリの街の雰囲気と見事に調和して語られていきます。
そして、この話はテレーズの再生のようにとれる一方で、まったく同じことが別の家族のなかで進行している。
記憶の断片は、断片のまま迷宮入りですが、テレーズも、周囲に登場する人々もやさしく、場面には時々あざやかな夢や記憶が入り込み、「子供へのネグレクト」といった重さはありません。
迷い子のようではあっても、個人で生きる人達の物語です。
「訳者あとがき」が良くて、謎解きができます。先に読まないほうがいいです。