ふしぎな「ふしぎなキリスト教」 (ジャーラム新書) の感想

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参照データ

タイトルふしぎな「ふしぎなキリスト教」 (ジャーラム新書)
発売日販売日未定
製作者ふツー連(ふしぎなキリスト教問題を考えるツイッター市民連合)
販売元慧文社
JANコード9784863300583
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » キリスト教・ユダヤ教 » キリスト教一般

購入者の感想

 タイトルからもわかるように、この本は橋爪大三郎・大澤真彦『ふしぎなキリスト教』に対する応答の本です。 ですから、基本的には『ふしぎなキリスト教』を読んでいる人が対象として想定されています。『ふしぎなキリスト教』を読んでいなければわからない所が確かにあります。
 しかし、本書はただの反論本ではなく、最後まで読めば、これはこれでひとつのキリスト教の入門書という形になっています。
 前半は、『ふしぎなキリスト教』の中の間違いや矛盾を逐一列挙していますので、これらをすべてきちんと読むのは少し骨が折れますので、細かいことをきちんと押さえておきたい人以外は、読み飛ばしてもよいかも知れません。
 ただ、こういう細かい作業は、誰かがやっておかねばならない仕事でしょうから、それを思い立って実行された方々には敬意と感謝を表したいと思います。そういう意味で、前半の「ふしキリ」問題点列挙は、資料編として利用するのがよいように思います。この本は、先に資料編があると思えばよいのではないかと思います。

 特に読者の皆さんにお勧めしたいのは、211ページ以降の正教会司祭であられるクリメント北原史門さんによる「なぜ『ふしぎなキリスト教』を批判するのか」です。「ふしキリ」の問題点に触れながら、実際の正教会の信仰をわかりやすい形で紹介してくれています。私も正教会については知らないことが多いので、たいへん興味深く読みました。
 また、300ページ以降の、日本キリスト改革派教会の牧師であられる松田基教さんによるカルヴァンの予定説についての「ふしキリ」の誤解を解く論考も、予定説の真髄をよく理解していなかった私も、予定説を受け入れられるものに変えてくれたように感じます。
 さらには、311ページ以降の植田真理子さんによる「売れるキリスト教書の4つの法則」も、ややブラックではありますが笑えるものです。そして、「ふしキリ」のような、あるいは類似の参考書を使って、キリスト教の魂を売り渡すような「伝道」に、クリスチャン自身が陥ることのないように、と警告されているように思われます。毒はありますが、大切な提言だと思います。

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評者は日本固有の信仰を大切にしたいと思う者であってキリスト教徒ではないが

世界の歴史と文化を理解するためにはキリスト教の基礎知識は必須と考えている。

批判の多い『ふしキリ』より先に本書を読んだがその選択は正しかったようである。

本書が示すのは、大切にしているものを踏みつけにされた人々の静かな怒りと悲しみ、

そして言論の暴力は断乎言論で防禦するという凛とした意志と行動力である。

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橋爪大三郎は『ふしキリ』に「事実が書いてあると思うのが間違い」と開き直り

大澤真幸は書店のイヴェントで

「この本に不満のある人はご自身もこれより説得的な本を書いたらいい」と言い放った。

本の作り手としての資質を疑わしめる発言であり、就中後者は

「本を出版する機会と資金に恵まれない人は反論するなという含意の、非常に問題性に富む暴言」

と本書が指摘する通りであるが、

『ふしキリ』の数々の誤りを糺す本書こそ

大澤の言うところの「より説得的な本」であることはその内容に明らかであり、

精緻な検証に心から敬意を表したい。

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同イヴェントで大澤は

「集中砲火的に批判されなかった本で偉大な本ってまずありません」

と夜郎自大に自賛しているが、

本書によってキリスト教への無知、無理解、偏向が満天下に晒された『ふしキリ』を

「偉大な本」などと言う御説に今更同意する人が果たしてどれだけいるのだろう。

(橋爪の属する日本福音ルーテル教会は「ふしキリを異様に持ち上げている」由であるが)。

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正教会司祭・クリメント北原神父は「ふしキリwiki」英語版の作成を躊躇しておられるが、

信仰を大切になさるなら、ぜひどなたかが

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