勝てるアジア最前線 (日経BPムック 日経ビジネス) の感想

仕事柄、日頃からこの手の特集記事やセミナーにはかなり接しているが、流石に日経BPだけに抜かり無くまとまっているという印象。一方、現地を知る実務家の視点から言えば、目新しいニュースや考察はあまり無かったというのが率直な感想である。まあ、そこまでを期待せずにサラッと読み流し、アジアの今の空気感を追体験するにはこのぐらいが適当か。
ただ、残念だったのは冒頭の専門家による寄稿文。日経ビジネスや日経新聞の記事の焼き直しが中心の本書では「目玉」の一つであるべきパートと期待して読み進めたが、内容に深さが無いばかりか（短いコラムにも関わらず）論理矛盾も見られ、全く説得力に欠けるもので失望した。
また、後半にある広告代理店による若者に関する現地レポートも、多様性に富むアジア各国の若者像をあまりにもスマートに（いかにもコンサルタント的に）仕分け過ぎている感が否めず、共感するには至らなかった。