公務員試験対策1冊で合格シリーズ7 国際法 の感想

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参照データ

タイトル公務員試験対策1冊で合格シリーズ7 国際法
発売日販売日未定
製作者伊藤塾
販売元弘文堂
JANコード9784335310126
カテゴリ »  » ジャンル別 » ビジネス・経済

購入者の感想

 公務員試験の導入本として使用しているが、かなり分かりやすい。よくできたテキストだと思う。だが読み進めていくうちに、すごい記述を見つけた。124頁の「ヨーロッパ司法裁判所」に関する項だ。以下引用文。

1997年に調印されたヨーロッパ連合条約、いわゆるアムステルダム条約は、8条にヨーロッパ経済共同体(EEC)をヨーロッパ共同体(EC)と称することを定めている。そしてこのECは石炭鉄鋼共同体、原子力共同体とともにヨーロッパ連合(EU)を構成する。引用終わり。

 ヨーロッパ連合条約は、アムステルダム条約のことではないし(マーストリヒト条約)、調印されたのも1997年ではない(1991年)。条約の内容も、ECCからECへの名称変化ではない(ECからEUへの変化)。ECが石炭鉄鋼共同体と原子力共同体とともにヨーロッパ連合を構成する、なんてこともありえない(「EECは石炭鉄鋼共同体と原子力共同体とともにヨーロッパ共同体を構成する」と書きたかったのか)。
 お世話になっているテキストのあら探しをしたいわけではない。予備校本だし、多少の誤植は仕方が無いと思っている(自分で調べれば良いわけだしね)。でも、正直、この記述は頂けない。1行に2つも3つも間違いがある。単なる記憶違いなのかもしれないけれど、基本事項だし、チェックをすればすぐに見つけられるはずだ。こういう記述が一カ所でもあると、他の項も怪しく見えてきてしまう。いい本なのに、もったいない。早く直してください。よろしくお願いします。

 本書が出版されるまで国家I種試験用の国際法テキストはほとんど皆無に等しく、受験生は山本草二『国際法』など分厚い学術書を読むしかなかった。そういった意味で本書が出版された意義は大きい。内容は、伊藤塾のテキストらしく、なじみの薄い国際法をわかりやすくかつコンパクト(300頁弱、ちなみに上記した山本国際法は700頁弱)に解説し、各章末に実際の試験問題を付すことで法学部生でなくとも国際法を容易に学べるものとなっている。また、巻末にはいわゆる「論証カード」が付録としてあり、国家I種法律職2次試験の記述対策としても十分耐えうる。
 しかし、本書のみで対策が十分かといえばそれは「ノー」といわざるを得ない。まず公務員試験の法律科目の最大の特徴は「判例主義」なのはいうまでもないが、本書に収録されている判例の数はあまりにも少なすぎる。『判例百選』もあわせて読まないと対策としては不十分であろう。また、各条約についても記述が不十分なように感じる。条約集も必須であろう。さらに、本書のみならず本シリーズ全てについて言えることだが、巻末にある記述試験の過去問の模範解答例がない。なにゆえ解答を付さなかったのか疑問である。

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