「知の技法」入門 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル「知の技法」入門
発売日販売日未定
製作者小林 康夫
販売元河出書房新社
JANコード9784309246772
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

購入者の感想

1.第三章 だれにもわかる「実存主義・構造主義・ポスト構造主義」が秀逸。示唆されること多し。
2.日々の仕事で、レビストロースの「野生の思考」にあるブリコラージュや野生の思考を反芻することが多く、また幼少期に外国で経験した諸事象が構造主義という関係主義の視点から深く理解できる気がして構造主義は私にとっては大学時代から中高年の現在まで生きた思想でありつづけている。
3.ポスト構造主義は難解と思っていたが、この本で視野が開けた。
4.レビストロースの構造主義は、変化の少ない冷たい社会のスタティック(静態的)なありかたの分析を中心としているのに対して、たとえばデリダのいう差延とは構造主義の差異という関係性の構造に時間を注入したもの。
5.差異から差延(差異+時間軸)へ。共時態から共時態+通時態へ。
6.現代の社会は「きわめて複雑で、自己組織的で、しかもけた違いに膨大な関係群から成り立つシステムで、しかもそれがいくつものレイヤー(層)にわたって重なりあっている(p。119)」これがデジタル革命のなかで、デコンストラクション(構造の大きな組み換え)を繰り返しつつ変容を続けている。
7.この現在の状況に対応するのが時間はずれているが30、40年ほどまえに脚光をあびたポスト構造主義。なるほど。
8..近代社会は変化を基調とする熱い社会だったが、今世紀に入り、超熱い社会に転化しつつある(温度上昇率の加速)。その沢山の層からなる差異の関係性の束(構造)が時間軸のなかでずれながら変容する(差延)。
9.商業資本が空間的価格差(差異)を利用するとすれば、産業資本(メーカー)は、時間的空間的技術的情報的差異を利用する。現在はそれらの多様な差異が、多様なメディア、プラットフォームの上で作り出され(脱構築され)利潤を生みだし、資本主義を駆動するエネルギーになっている。

かつて1990年代に『知の技法』(シリーズ)を読んで大いに刺激を受けたため、タイトルのみで本書を購入してしまったが、まったく別物で期待外れであった。本書を購入する際は、中身を確認してからにするようご忠告申し上げます。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

「知の技法」入門

アマゾンで購入する
河出書房新社から発売された小林 康夫の「知の技法」入門(JAN:9784309246772)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.