ドキュマン (河出文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルドキュマン (河出文庫)
発売日販売日未定
製作者ジョルジュ バタイユ
販売元河出書房新社
JANコード9784309464039
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 外国のエッセー・随筆 » フランス

購入者の感想

バタイユの「ドキュマン」寄稿集新訳である。旧訳は片山正樹訳「ドキュマン」(二見書房1974年)で、部分訳のようだが(私は読んでいない)、今回はバタイユ署名記事と関連原稿(全集所収)の完訳である。図版は全掲載ではないようだ(ミロの絵がない)。
「ドキュマン」はバタイユが中心になって、1929年4月に創刊され、1929年度として計7号が、1930年度として計8号が出た雑誌で、「さまざまの資料」の意味であり、表題の下に「学説、考古学。美術、民族誌」(のちに、学説が雑録に代わる)と記載されており、当初は、博物館的な資料提示と解析をメインとした、学術的雑誌の予定であったようだが、編集長バタイユと一部の参加者の策謀(??)により、対象拡張(雑多な資料導入)、詩的展開、情念炸裂、異物混沌、難解論理、新生思考の道を辿ったようである。「ドキュマン」原著はネットで閲覧でき、「gallica」を呼び出し、「Documents  BATAILLE」を入力すると、一番上にgが出るので。右下をクリックすると、「ドキュマン」2年分が姿を現わす。フランス語はちんぷんかんぷんでも、図版を眺めているのは、結構面白い。
それで、本書の内容は、論理的論理のほかに、詩的論理、情念的論理(時に暴発)、シュールリアリズム的論理(?)、論理化の拒否、論理の逸脱等あり、また、省略、暗喩、急激な転換等あって、大変難解である。しかし、長いものはないので、三回ほど読めば、多くは、おおよその理解に達することはできる。(それで十分だろう)。図版も楽しい。
たとえば、
「アカデミックな馬」・・古典ギリシャのアカデミックな文明においては、馬は高貴な形態を持ち、イデアの完璧な表現の一つであったが、征服以前とのガリアの野蛮な文明においては、それらは解体され、形態の狂乱となって、怪物化したとし、高貴で、明確な形態の動物(馬、人間)と、醜悪で、おぞましい怪物(ゴリラ、カバ、怪物の馬)との間の、対立、承継、変換、変異、転換、止揚を語る。
「サン=スヴェールの黙示録」・・題名の書の解説で、文献的、詩的な拡張が多い。
「花言葉」・・花の美しさ、魅力、花言葉の愛の対象は、花の中の花冠にあるが、愛の機能は中心の醜い花芯(性器)にあることを語り、花冠の萎れと、花の死の劇を語る

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

ドキュマン (河出文庫)

アマゾンで購入する
河出書房新社から発売されたジョルジュ バタイユのドキュマン (河出文庫)(JAN:9784309464039)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.