一号線を北上せよ<ヴェトナム街道編> (講談社文庫) の感想
参照データ
タイトル | 一号線を北上せよ<ヴェトナム街道編> (講談社文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 沢木 耕太郎 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062752718 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日記・書簡 » 日本文学 |
購入者の感想
これほどまでに普通の旅行記だとは思わなかった。
この中の一章をタイトルと著者を伏せて読まされたら、沢木さんの作品とは気づかなかったかもしれない。
面白くないわけではない。ノンフィクションで鍛えた筆はベトナム街を確実に描写する。ガイドブックとしても役立ちそうだ。だけど、熱帯の国の匂いがしない、騒音がしない、暑さを感じない。そして何より、自分も旅にでたくてたまらなくなるような熱い気持ちになれなかった。
年を重ね、それでも沢木さんの言うところの「旅という病」から開放されない人はどんな旅をしたらいいのだろうと、ちょっと切なくなった。
この中の一章をタイトルと著者を伏せて読まされたら、沢木さんの作品とは気づかなかったかもしれない。
面白くないわけではない。ノンフィクションで鍛えた筆はベトナム街を確実に描写する。ガイドブックとしても役立ちそうだ。だけど、熱帯の国の匂いがしない、騒音がしない、暑さを感じない。そして何より、自分も旅にでたくてたまらなくなるような熱い気持ちになれなかった。
年を重ね、それでも沢木さんの言うところの「旅という病」から開放されない人はどんな旅をしたらいいのだろうと、ちょっと切なくなった。
「深夜特急」の著者沢木耕太郎氏が50代になってベトナムを旅した時のエッセイです。
近藤紘一という人の「サイゴンから来た妻と娘」という著作とカメラマン横木安良夫の「サイゴンの昼下がり」という本に触発されてホーチミン(サイゴン)に向かいます。沢木氏が書いているように、「深夜特急」のころのような若さと体力に任せて好奇心が向くままにあちこちに首を突っ込む、という印象は比較的少ないかもしれません。それでもこの方の人の好さなのでしょう、面白い人たちが集まってきて起こるエピソードの数々は「深夜特急」と同じようにスイスイ読めて、相変わらず「この旅(本)が終わらなければいいのに!」と思わされてしまいました。
近藤紘一という人の「サイゴンから来た妻と娘」という著作とカメラマン横木安良夫の「サイゴンの昼下がり」という本に触発されてホーチミン(サイゴン)に向かいます。沢木氏が書いているように、「深夜特急」のころのような若さと体力に任せて好奇心が向くままにあちこちに首を突っ込む、という印象は比較的少ないかもしれません。それでもこの方の人の好さなのでしょう、面白い人たちが集まってきて起こるエピソードの数々は「深夜特急」と同じようにスイスイ読めて、相変わらず「この旅(本)が終わらなければいいのに!」と思わされてしまいました。