男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067) の感想

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参照データ

タイトル男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)
発売日販売日未定
製作者坂爪 真吾
販売元筑摩書房
JANコード9784480067647
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

 ナイーヴな理想論といえばそうなのですが(新書という制限もあって、あえて教科書的な記載に終始した面もあると推測します)、青臭いほどの勇気をもって男の性を語ろうとする著者に感心しました。
 ネットでなんでも見れるこの時代、息子が性的な関心を持ち始める前に親として勉強する目的で読んだのですが、自分自身が接してきた性の情報が、いかに時代や政治・メディアの事情に規定されたものだったのかを俯瞰しなおし、自分自身と妻の今後の関係を考えるうえでも、既にオッサンの私にも学ぶことの多い本でした。
 女性を単なる商品として扱い、感染症への配慮に欠ける性産業や、誤った自慰で膣内射精障害が増えていることは、社会にとっても当事者にとっても深刻な問題だと思います。若いのに、そういうことをきちんと語ろうとする著者は立派だと思いました。フェミニストが好きそうな本だと揶揄するのは簡単ですが、批判する人から建設的な反論が少ないのが残念です。
 性という分野が分野だし、社会学は、生産性を目的としない単なる議論のための議論が好きな人が多そうだから(出る杭に議論をふっかけて自分の飯のタネにするという生産性はあるかも)、これからも色々叩かれるんだろうな、といささか気の毒になりますが、今後も勇気をもって行動する人として、ご活躍頂きたいと思います。

 著者の方の熱意は感じますし、ところどころはっとさせらる箇所もあります。「一番の性感帯は性器ではなく皮膚」や、「セックスは二人で作り上げるもの」など、世にあふれる射精中心主義を克服しよう、という意志がよく伝わってきます。
 なのですが、全体を通してかなりナイーブな感性を、読者に押し付けようとするところが多々見受けられました。特に目立つのが「〜なはず」という言い回しで、「性風俗の快楽などむなしいはず」といった断定が何度も出てきます。著者の方は荻上チキさんをかなりリスペクトしているようですが、彼とやや同じ部類の、若手のインテリフェミ男かな〜、という印象です。0

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