狡猾の人 の感想

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参照データ

タイトル狡猾の人
発売日販売日未定
製作者森 功
販売元幻冬舎
JANコード9784344021105
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

本書は版元の幻冬舎見城徹社長への守屋氏自身からの出版申し込みから始まったという。
「全てを語るからゴーストライターを紹介して欲しい」という依頼であった。
幻冬舎側は著者の森功氏を紹介し、
交渉の末、森氏が聞き書きをしたという断り書きをした上で書籍化することに合意した。

そのとき、守屋氏は懲役2年6ヶ月、追徴金1250万円の一審判決を受け、控訴している最中だった。

ところが、民主党政権になって、ときの鳩山代表が「普天間の県外移設」を口にし出した頃から雲ゆきが怪しくなる。
守屋氏が本書の出版を断ってきたのである。

なぜなのか、本書はその肝心の理由を指摘しない。
守屋氏への検察の調査が軍需産業をめぐる一大疑獄へ発展する端緒の可能性があったと書くのみである。
この2つの関連性については詳しく言及されない。
そこを調べて書かなくては本書の存在価値はないのではないか。

結局、守屋氏へのインタビューを元にした本書の出版は強行されたのであるが、
それに頼りすぎているためであろう、取材が甘い。
防衛産業専門商社、山田洋行から独立して、守屋氏に取り入った日本ミライズの宮崎氏が
なぜ、ここまでの力を持つに至ったのか、守屋氏夫人の来歴は、
本書の最大のアドバンテージであろう守屋氏本人の人物像への切り込み方も浅い。
そして、もっとも肝心な一大疑獄への発展の読みは。

ものたりない。

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