家のない少年たち 親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル の感想

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参照データ

タイトル家のない少年たち 親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル
発売日販売日未定
製作者鈴木大介
販売元太田出版
JANコード9784778312367
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

駅やコンビニ前でたむろしている不良たち。
嫌悪感を覚えてしまうが、彼らの境遇を考えたことがあるだろうか。
彼らの境遇も現代日本の一断面なのだと感じさせてくれる。
不況が続けば続くほど彼らは急増する。

著者は、これまでの作品同様に、不器用なまで、当事者の声を
救いあげようとする。
こうしたライターはもはや絶滅危惧種。
この本もどこかのドキュメント賞をとってもいいくらいの取材量です。

日本における戦後すぐの少年犯罪は、家や親を失ったり、家族を養うためなどの貧しさによる食べていくための犯罪が多かったのではないだろうか?

この本を読んで、思わず絶句した。
本書に登場する少年達には親がいる。
その親達が彼らに対して育児放棄し、劣悪な男女関係を繰り返し、虐待を続けていくうちに、少年達が帰る家を失い悪の道を辿っていく。
まず、振り込め詐欺日記には言葉を失った。
犯罪者には犯罪者の責任感があり、あくまでもビジネスなのだ。
犯罪によって潤った資金を狙う犯罪組織もある。
簡単にパスポート、運転免許証などの身分証明書が売られ、人の命の価値が決まる裏社会。
素人の少年犯罪が延びていった背景、その素人の犯罪組織を狙うプロの集団。
著者は、「家のない少女たち」では家を失った少女達が、自らの身を売ることで生き延びていく様を描いた。
本書はその少年版。貧困ビジネスを形成している彼らには意外にもチキンが多い。
彼らのうちの一人の「ファッ○“大人代表”俺たちは生き抜いてやる!」の言葉に、本当に彼らが救いを求めていた時に、手を差し伸べてくれなかった親や、周囲の大人達と社会への痛烈な批判がこめられていた。
保護施設、少年院、出所等を経験してきた彼らの本音が、そのまま会話で表現されているので、時折わからない専門用語が出てきて少し読みずらい部分もあるが、かえってリアルかもしれない。
今の日本の底辺や闇社会、犯罪に手を染める少年達を知る上で、親世代は一読する価値があると思う。
最終章の「ものすごい長いあとがき」に登場する、出所してきた辻原君の言葉にかすかに一筋の光明を見た。0

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