日本と中国―相互誤解の構造 (中公新書) の感想

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タイトル日本と中国―相互誤解の構造 (中公新書)
発売日販売日未定
製作者王 敏
販売元中央公論新社
JANコード9784121019660
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

この著者の本を始めて読んだが、何より日本語の文章がうまいと思った。
明治維新以降中国文化を理解しない日本人と、常に中国文化の亜種として見て日本文化を理解しない中国人との狭間にあって、日中交流を模索する著者の苦慮が伝わってくる。
また、思想の偏見によらず、豊富な文献をもって客観的かつ公正に日本を捉えようとしている姿勢に好感がもてる。
著書では、「中国社会は謝罪重視の文化、日本社会は謝意重視の文化」「中国文化は儒教的価値観によって理念を大切にする性格を持ち、日本文化は感性的な要素が強い」などの指摘に納得させられる。

この著書の大きなテーマは、日本文化と中国文化を「同文同種(文字・人種が同じ)」として捉えず、互いに異なるという理解を持つことが大事と説いている点であろう。この点はおおいに賛同したいところである。しかし、本書の文化比較を読んでみると「日本と中国が文化的相違を尊重し合うことはあまりにも大きな困難がある」という感想しかなかった。おそらく現在の日本人も中国人も、この困難を克服する努力をしたくはないだろう。

また著書によれば、中国人は日本人より明らかに西洋人に近い思考を持つことになるが、現実上の中国人が西洋的でない行動や意識となるのはなぜなのだろうか?おおいに不思議だ。

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