感動が幸せな職場をつくる ~たんぽぽ介護の天使たち~ の感想

給料が安く離職率が高い介護業界で、スタッフ、お客様が笑顔になれる職場作りを実現しているたんぽぽ温泉デイサービスの取り組みを紹介した書籍。

リハビリメニューを自分で選ぶ、バイキング形式で自分が食べたいものを食べる、カジノやカラオケ、パチンコ、麻雀などの娯楽やパン教室、パソコン教室などのカルチャー教室を提供。
さらにスタッフやお客様もみな笑顔で明るく振舞い、まるでディズニーランドみたいな介護施設を目指しているタンポポデイサービスの取り組みは素晴らしいと思った。

介護施設という大変な職場にも関わらず、従業員が明るくいきいきと働き、後輩や新人に困っていることがないか声を掛け合う風土になっている。これらの思いやりや心遣いがお客様との良好な関係、対応にもつながる好循環になっているのはよく考えられていると思った。

今後、介護施設だけでなく、老人ホームや医療機関などの施設はどんどん増加すると思うが、量ではなく質を重要視するタンポポデイサービスの取り組みのような考え方を取り入れてほしい。

ディズニーランドのような介護施設ーーそんな夢を実現させてしまった人がこの本の著者筒井健一郎さん。
物流会社社長時代の失敗から学んだことを生かし、この「たんぽぽ介護センター」の理念にたどりついたのだそう。
だから説得力があります。
デイルームは体育館のように広く、そこにはグランドピアノが置いてあってスタッフや利用者が弾くのだとか。リハビリのプログラムは、タッチパネルの画面を利用者が自分で操作して選びます。ここにはプールもあれば温泉を満たした入浴施設もあり、バイキング方式の昼食もとれます。さらにカジノやカラオケルーム、パソコン教室にパン教室もあるのだそう。
これらの利用に応じて施設内で発行している通貨をやりとりし、それが利用者のモチベーションを高めているそうです。
そして何よりも、ここでイキイキと働くスタッフたちがいて、このデイサービスセンターのファンを増やしているそうなのです。
「いい事ずくめで本当かな」と思ってしまいがちですが、写真や体験談を読んでいるうちに、ひとりひとりを大切にする精神がスタッフのやる気を高め、奇跡のような事業を実現させていることがわかります。そう、まるでディズニーランドのように。
介護施設のイメージを１８０度転換させたすばらしい試みがどのように実践されているのか、その秘密がこの本の中に詰まっています。このような施設が全国津々浦々に広まったら、日本の未来は明るくなりそうですね。