憲法九条の軍事戦略 (平凡社新書) の感想
参照データ
タイトル | 憲法九条の軍事戦略 (平凡社新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 松竹 伸幸 |
販売元 | 平凡社 |
JANコード | 9784582856798 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門 |
購入者の感想
私はかつて自衛隊に在職していた一人である。
私の持論は、憲法第9条と自衛隊の存在は矛盾していないというものである。
憲法の謳う価値観には心から共感するが、国防を否定し、自衛隊を嫌う護憲運動は間違っていると考えてきた。
だが、そうではない護憲派が現れた。
驚くとともに、歓迎したい。
非武装・非暴力による平和という思想は美しい。
究極の理想であろうし、完全に否定し去るべきではなかろうとは思う。
しかし現実の世界は争乱に満ちており、非暴力による平和が直ちに実現できる環境にない。
けれども護憲運動はその現実を正面から見据えず、理想を語ってきただけだった。
安全保障を与党に任せ、自分たちはキレイゴトを唱えてすませてきたのだ。
これまでは、それでもよかった。
米軍の圧倒的な存在力により、長い間東アジアの安定が保たれてきたからだ。
他方、政権与党も米軍の存在力に頼り切っており、自らの頭で軍事戦略を考えてこなかった点では同じ事である。
改憲派も護憲派も、パックス・アメリカーナに寄りかかって惰眠を貪ってきたと言える。
いま米国のパワーは相対的に低下し、中国の新しい軍事力が東アジアに台頭している。
自信をつけた中国は、成長中の新興国にありがちな好戦的気分に高揚しているように見える。
(大日本帝国がそうだったように)
東アジアのパワーバランスが大きく変化しつつある。
これまでのやり方ではやっていけない時代に、私たちは立っているのだろう。
ところが自民党は相変わらず米国依存症から脱けきれない。
脱けようとはしているのかも知れないが、それには独自の軍事戦略が必要だ。
軍事戦略を立てるには、国家のアイデンティティを明らかにしなければならない。
日本国のアイデンティティは日本国憲法(基本的人権と民主主義)のはずだが、
彼らはこれが大嫌いで、立党の精神が改憲である。
すると彼らの手持ちは、古くさくて危険な大日本帝国時代の思想しかない。
私の持論は、憲法第9条と自衛隊の存在は矛盾していないというものである。
憲法の謳う価値観には心から共感するが、国防を否定し、自衛隊を嫌う護憲運動は間違っていると考えてきた。
だが、そうではない護憲派が現れた。
驚くとともに、歓迎したい。
非武装・非暴力による平和という思想は美しい。
究極の理想であろうし、完全に否定し去るべきではなかろうとは思う。
しかし現実の世界は争乱に満ちており、非暴力による平和が直ちに実現できる環境にない。
けれども護憲運動はその現実を正面から見据えず、理想を語ってきただけだった。
安全保障を与党に任せ、自分たちはキレイゴトを唱えてすませてきたのだ。
これまでは、それでもよかった。
米軍の圧倒的な存在力により、長い間東アジアの安定が保たれてきたからだ。
他方、政権与党も米軍の存在力に頼り切っており、自らの頭で軍事戦略を考えてこなかった点では同じ事である。
改憲派も護憲派も、パックス・アメリカーナに寄りかかって惰眠を貪ってきたと言える。
いま米国のパワーは相対的に低下し、中国の新しい軍事力が東アジアに台頭している。
自信をつけた中国は、成長中の新興国にありがちな好戦的気分に高揚しているように見える。
(大日本帝国がそうだったように)
東アジアのパワーバランスが大きく変化しつつある。
これまでのやり方ではやっていけない時代に、私たちは立っているのだろう。
ところが自民党は相変わらず米国依存症から脱けきれない。
脱けようとはしているのかも知れないが、それには独自の軍事戦略が必要だ。
軍事戦略を立てるには、国家のアイデンティティを明らかにしなければならない。
日本国のアイデンティティは日本国憲法(基本的人権と民主主義)のはずだが、
彼らはこれが大嫌いで、立党の精神が改憲である。
すると彼らの手持ちは、古くさくて危険な大日本帝国時代の思想しかない。