ダメな自分を救う本―人生を劇的に変えるアファメーション・テクニック の感想

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参照データ

タイトルダメな自分を救う本―人生を劇的に変えるアファメーション・テクニック
発売日販売日未定
製作者石井 裕之
販売元祥伝社
JANコード9784396612658
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 人生論・教訓

購入者の感想

 仕事上のノルマなど、実際に何かしらの直接的な結果を出すことが否応なしに求められている人にとってはこの本で得られるものはあるのかもしれません。この本が提示する「ダメ」状態脱却のための努力というのは基本的になんらかの「社会的成功」を達成するための努力だからです。もっと単純に言うと何かが「うまくやれない」ことを理由に自分はダメだと思っている人が「うまくやる」ための技術、モチベーションをコントロールするノウハウを提示する本です。自己評価の低い人に的を絞ったいわゆる「サクセス本」です。

 しかしそもそも「うまくやる/やれない」こと自体は単に利害得失の多寡をもたらすものでしかありません。例えば、「卑怯」「傲慢」「怠惰」などは誰にとっても改めるべき恥ずべき要素ですが、本書が扱っているような「低収入」「低学力」「モテない」「口下手」などは技術的な水準の低さや社会的評価の低さなどを示すものではあってもそれだけで人として間違っている要素にはなりえません。正しさと賢さ(処世力)は違うのです。言うまでもないことですが、どこまでが「ダメ」でどこまでが「ダメじゃない」かの普遍的な線引きなどあるわけがない。「ダメ」という判定自体は紛れもなく自分や他人の思い込みや決めつけであり、視点を変えることが出来さえすれば「ダメ」じゃなくなるわけです。「ダメ」の根源が社会的な敗北感であれば、それを克服する努力というのは本書のように「勝ち」を求めることだけではありません。「意味のない勝ち負けに囚われない心のあり方」を求めることでもあるわけです。そのうえで能力の向上が本当に自分にとって(決して劣等感の解消などではなく)必要と考える人だけが努力すればいいのです。
 なんらかの、「自分の能力の低さ」と「自分の劣後意識の大きさ」は切り分けて考えていいはずです。そうでないといつまでも世間の価値に振り回され、見上げる嫉視と見下す傲慢の連鎖の中でただ「優越感」という安心を得るための努力をし続けることになるかもしれません。

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