非言語表現の威力 パフォーマンス学実践講義 (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトル非言語表現の威力 パフォーマンス学実践講義 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者佐藤 綾子
販売元講談社
JANコード9784062882736
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 心理学

購入者の感想

パフォーマンス学という。人間関係作りと夢の実現のために自己表現を研究する分野なのだという。タイトルに「非言語表現」とあるように、確かに身振りや手振り、声のトーンやアイコンタクトといったことに多くのページが割かれているのが特徴である。ただし、プレゼンなど言語表現を使った仕組みと技についても解説されていて、かならずしも非言語表現だけというわけではない。本書で著者が示しているパフォーマンスの構成要素の円グラフでは、言語表現が30%、非言語表現要素が70%となっている。

内部の真の自分と外に見せている自分の2つの自分があって、その2つにはギャップがあることにしっかり気づく。「自己発見」を行い、「自己強化」のトレーニングを行い、「自己表現」を磨く。LEP理論(Logos:理論、Pathos:感情、E:人格的信用)。東京オリンピック招致プレゼンの20の技法。ブリッジング技法。表情のズレを読む。非言語的パフォーマンスの要素。声は表情に続く2つめのメッセージ。背骨、腕の振り。喋るときには1分あたり276文字を目安とする。伝えたいメッセージを理解させる形にしたコード。相手の聴きたいことを話す。楽しませるか、知らせるか、説得するか。自己開示を構成する3つ(事実、感情、価値観)。Win-Winのネゴシエーションを心がける。相手のタイプ別の上手な叱り方と褒め方。尊敬される謝り方。会話の目的別フィードバック。SOLER原則(Squarely, Open, Lean, Eye contact, Relaxed)。上手な質問は質問しながら相手との人間関係がよくなってゆく。Keep going, listening and asking!(聴いて、訊いて、止まるな)、No training, no win!(練習なしの勝利なし)。

別の方がレビューで書かれているので政治家への視点等は置いておきます。一言だけ政治家に対する書かれ方という視点に触れるとすれば、本筋は政治家をワッショイすることではなくてパフォーマンス学的に分析するならば…という視点から描かれたものであり他の方は過剰反応気味だということですかね。
話の内容自体はわかりやすく書かれていると感じました。私としても読みやすかったです。理論で詰められているような部分もありますが、現代の生活で当たり前の「人同士が顔を合わせてコミュニケーションをとる」という場面で私たちが何となく気にかけていることを言語化した本、とでも言えば良いでしょうか。私自身「なるほど」と感じることも多かったです。
論理も難しいというほどのこともなく図があったこともあり十分に理解できました。問題は人付き合い・プレゼンについての経験的な感覚を言語化したこの本を読んでもすぐの実践はなかなか難しいということですかね…

基本的にコミュニケーション理論の常識の範囲の先行研究や事例を引用するあいだに、安部晋三や小泉純一郎・進次郎父子の演説&パフォーマンスへの礼讃が頻出する驚愕の一書。政治家のパフォーマンスを事々しく取り上げ、権力者へのすり寄りぶりは見事と言うほかない。その典型が、安倍首相の五輪招致演説について「過去の実績、経験の積み重ね」が、あの発言の重みを増しているという主張だ(第2章)。安倍首相が”Let me assure you, the situation is under control. "と発言したときに、両手で水面を押さえるようにした動きを絶賛する筆者の視野には、F1周辺海域の放射能汚染の問題はまったく入っていない。政治家の発言にはゴーストライターがおり、パフォーマンスについては電通、博報堂等々のブレーンが様々な指導をしている(この筆者も実はそのスタッフかと思わせるが、、、)ことも、まったく視野の外のようだが、それは許容範囲としておこう。ともあれ、政治家の身体所作を例示して論じるのなら、せめてミッシェル・フーコーの身体論や権力論くらいは視野に入れるべきだろう。

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講談社から発売された佐藤 綾子の非言語表現の威力 パフォーマンス学実践講義 (講談社現代新書)(JAN:9784062882736)の感想と評価
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