ルポ 若者ホームレス (ちくま新書) の感想
参照データ
タイトル | ルポ 若者ホームレス (ちくま新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 飯島 裕子 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480065896 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
これまで「ネットカフェ難民」「年越し派遣村」、あるいはNHKの「無縁社会」「“助けて”と言えない」などでホームレス状態にある若者について断片的に報道されてきたが、この本では一人ひとりの家庭の事情や学歴・職歴を丁寧に取材・紹介しており、読み進むうちに若者ホームレスを生み出している社会的な構造が浮かび上がってくる。彼らの多くが正社員から社会人をスタートしていたり、自衛隊出身者が意外と多かったり、養護施設出身で世間を知らないために、劣悪な労働条件のもとで体を壊すほど働いた経験があったりと、“怠け者”といったイメージとは程遠い。そこから導きだされるのは、高度成長時代の社会保障や教育システムが機能しなくなっているという現実だ。働く意欲があり、健康な若者には高齢者や母子家庭などとは異なるセーフティネットが必要だ。就職に結びつかない短期の職業訓練などは廃止して、一人ひとりを長期かつ徹底的にサポートする施策が必要だと痛切に思わされた。賞賛に値する労作である。
若者のホームレスについて原因、背景、対策などをコツコツとインタビューを重ねてまとめた良作であり、力作です。
類書にNHKクローズアップ現代取材班の「助けてと言えない(文藝春秋)」がありますが、それを広く深くした様な内容です。
私は精神科医ですが、ホームレスの方で軽度の知的障害や発達障害を持っている人が多く、かつ適切な医療を受けていないことを改めて知り、どのように介入していくのがいいのか考えさせられました。
対人関係をうまく作っていくことができず、情報から孤立し、うまくいかない現状を「自己責任」としてしまい、他者に援助を求められない方々に対していかに援助していくか、この難題に果敢に挑んでいる著者及びビッグイシューの方々に深い敬意を表します。
類書にNHKクローズアップ現代取材班の「助けてと言えない(文藝春秋)」がありますが、それを広く深くした様な内容です。
私は精神科医ですが、ホームレスの方で軽度の知的障害や発達障害を持っている人が多く、かつ適切な医療を受けていないことを改めて知り、どのように介入していくのがいいのか考えさせられました。
対人関係をうまく作っていくことができず、情報から孤立し、うまくいかない現状を「自己責任」としてしまい、他者に援助を求められない方々に対していかに援助していくか、この難題に果敢に挑んでいる著者及びビッグイシューの方々に深い敬意を表します。