平成バブル先送りの研究 (経済政策分析シリーズ) の感想

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タイトル平成バブル先送りの研究 (経済政策分析シリーズ)
発売日販売日未定
製作者村松 岐夫
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492211496
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

不良債権処理はなぜ先送りされたのか?
現在では、日経新聞社『犯意なき過ち』『金融迷走の10年』や軽部謙介・西野智彦『検証経済失政』『検証経済暗雲』などによって、われわれは先送りのプロセスを知ることができる。
だが、これらのジャーナリストの記述は、詳細をきわめるものの読者の頭で整理するには荷が重いものでもある。
これらに対して、本書は、一次データの発掘というよりも、既刊文献や他の類似事例をもとにしていくつかの「像」――「なぜ」先送りされたのかについての仮説や理論――を結ぶことを主目標としている。
この狙いが達成されたかどうか、説得力ある枠組みを提示できているかどうかについては読後のお楽しみとして、所収されているいくつかの論文が興味深い主張・視点を示していることはたしかである。不良債権処理問題のみならず日本経済の長期停滞に関心のある方すべてに一読をすすめたい。
最後に一言だけ小言を言えば、本書は不良債権問題を日本経済停滞の主因と見なしているように見えるが、これは議論の余地がある。日本経済停滞の政治的プロセスを理解するためには、不良債権以外のイシューについても議論する必要があろう。ただしこれはもちろん一冊ではカバーしえないことであって、さらなるプロジェクトが必要となろう。
(この点については、さしあたり、本書の寄稿者を含むNIRAのプロジェクト成果『平成バブルの研究』上下の併読をお奨めしたい。)

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東洋経済新報社から発売された村松 岐夫の平成バブル先送りの研究 (経済政策分析シリーズ)(JAN:9784492211496)の感想と評価
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