日本人のためのピケティ入門: 60分でわかる『21世紀の資本』のポイント の感想

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参照データ

タイトル日本人のためのピケティ入門: 60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
発売日販売日未定
製作者池田 信夫
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492444146
カテゴリビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 » 経済学入門

購入者の感想

看板に偽りあり。本書がピケティ入門だとはおこがましい。強いて言えば、池田信夫氏によるピケティの言葉尻をとらえたアラ探し本だと言えようか。ピケティのマルクス評に対する池田氏による反論のくだりなど、自らの知識をひけらかさんばかりでみっともない。これをやっかみと言わずになんと言うのか。
先般の「週刊東洋経済」誌上のピケティ特集がなかなか読み応えがあったので、同じ東洋経済新報社による本書には相応の期待をして購入したのだが、まんまと裏切られた。
「日本人のためのピケティ入門」というタイトルを信じて購入した者としては、ハナから池田氏のフィルターを通した解説などお呼びでないのだが。80ページにも満たないリーフレットのような本書だが、半分まで読み進めるのが我慢の限界…ゴミ箱行き。久しぶりに駄本を掴んでしまった。

トマ・ピケティ『21世紀の資本論』を買ったので、その前座というか肩慣らしと思い、本書を購入しました。全77頁ですが、そのうち最初の48頁は何だか解りにくい経済理論の説明に費やされており、肝心の入門部分は残りのわずか29頁というのにまずはビックリ。肝心の要約も、今朝読んだ諸富徹氏の同書書評(朝日新聞12/21付朝刊)の方がよっぽど簡潔でシャープであった。

とはいえ、それでは身も蓋もないので、備忘までに本書から幾つかメモしておきたい。
「ピケティの主張は、次の資本主義の根本的矛盾と呼ばれる不等式で表現されています。 r>g ここでrは資本収益率、gは国民所得の成長率です」(14~5頁)。
「成長が停滞した社会では、過去に蓄積された富の比重が大きくなり、社会構造と富の分配に重要な影響を与えます」(54頁)。
「1950年代や60年代の最高税率が80~90%だった時期には、経営者は報酬を上げることにそれほど強いインセンティブがなかったでしょう。しかしそれが30%代になれば、自分の報酬を上げるために友人を取締役にし、彼らの報酬も引き上げて互いの利益になるように考えるのは当然です。・・・ 経営者の報酬と高い相関関係があるのは、彼らの能力ではなく「運」です。そして統計的にもっとも高い相関があるのは、累進税率の低下なのです」(74頁)。
「ピケティが提案するのは、グローバルな累進資本課税と、世界の政府による金融情報の共有です」(75頁)。

買うなら、書店で手に取ってみてからの方が良いと思います。

分かりやすいですが、本屋でちょっと立ち読みすれば十分な内容。
ブームに便乗したやっつけ仕事での執筆といったところ。
値段の価値はないのでは。

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