超訳「故事成語」事典 (PHP文庫) の感想

　PHP文庫の超訳事典シリーズも本書で3冊目です。今回は中国の古典等に書かれている逸話から生まれた故事成語事典です。私達は日常会話、そして、TV,雑誌、等で故事成語を使用したり、見聞したりしていますが、意外とその正確な意味、使用法を知らない事が多いようです。本書は、全体を、1：知らないのはもしや自分だけ　2：聞いた事はあるが意味は知らない　3：常識として知っておきたい　4：意味は知っているが由来は知らない　5：日本生まれと勘違いされがち　6：あまり知られていないがためになる　7：リーダーをめざす人は知っておきたい　8：スピーチ、挨拶で使える　の8章に分類し、各章各々25、計200の故事成語を例によって、用例、出典、解説、そして、関連用語、関連ページまで挙げ、そうそう忘れていました、超訳もつけて簡単に説明しています。
　目を通していきますと、多士済々、私はずーっと、たしさいさいと読んでいましたが、正しくは、たしせいせいと読むらしいです（こむら返りをこぶら返りというのと同じですね）。危急存亡の秋、やはり、危急存亡の時と覚えていました。疾きこと風の如し、御存知武田信玄の風林火山ですが、出典は孫子とのこと、牛耳る（正確には牛耳を執る）、完璧、破天荒、梨園、圧巻、独眼竜、何れも中国由来の故事成語です。　瓜田に履を納れず、勇将の下に弱卒無し、安に居て危を想う、虎を養いて患いを遺す、今の政治家は肝に銘じていて欲しいですね！創業は易く守成は難し、私もこれは肝に銘じておきます。　故事成語ですが、私も知らなかったり、意味を取り違えているものが沢山ありました。
　インデックス、主要出典も掲載されていますから、簡単な辞書代わりにも使えて便利かなと想います。