その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズ ケアをひらく) の感想

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参照データ

タイトルその後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズ ケアをひらく)
発売日販売日未定
製作者上岡 陽江
販売元医学書院
JANコード9784260011877
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

購入者の感想

 この本は、著者の一人の言葉を借りれば、「おもに依存症を伴うトラウマ体験サバイバー」や「境界性パーソナリティ障害」の女性が、どのようにして回復していくかを、治療の現場にいる著者(うち一人は依存症からの回復者でもある)たちが、詳しく語り明かした本です。主に、こうした女性たちをサポートする人たち(援助者)に向けて書かれた本ですが(本屋さんでは、たぶん看護学コーナーに置いてあります)、依存症を抱えている本人自身にも読んでもらおうとして書かれた本でもあります。
 かく言う私は、男性で、いわゆる物質依存を深刻な程度には抱えていませんが、ACで共依存症からの回復を続けており、その立場の自分にも当てはまったり、「ああ、そういう言葉で言ってくれると、腑に落ちる」と思える話が多く、一気に読んでしまいました。また生理の話も、直接はあてはまりませんが、私は子どもの頃から過敏性大腸症を患っており、身体的な問題として、少しだけ理解できる部分がありました。
 この本の特徴として指摘できるのは、自助グループやカウンセリング等で言われる「回復」のイメージを、その当事者の具体的な例を踏まえながら、とてもわかりやすく示してくれる点です。また、著者の一人である上岡さんによる「フォーカス」という5つのコラムも、ものすごぉぉく助けになりました。私は、15年ほど専門家のカウンセリングや自助グループを続けてきましたが、そこで経験してきた回復のプロセスの重要な部分を、かなりしっくりくる言葉で言い当ててくれた本、というのが、率直な感想です。なんだかファンレターのようですが、著者のお二人に、直接ありがとうと言いたいような、本当にすごい本だと思います。
 

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医学書院から発売された上岡 陽江のその後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズ ケアをひらく)(JAN:9784260011877)の感想と評価
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