生きる哲学 (文春新書) の感想

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若松氏の多くの著作に興味を抱いていながら、まだ読んだことのない方にとって、第一に手に取るべき作品です。

哲学と文学と宗教を架橋する若松氏独自の言語宇宙に接するための入り口となる、とても手に取りやすい作品です。

最近は、内容がすかすかな「新書」が多いなかで、この本は、模範的な「新書」のモデルを示しています。レベルを落としているわけではないのに、分かりやすく、須賀敦子、志村ふくみ、堀辰雄、井筒俊彦、リルケ、ブッダ、皇后まで、非常に多様な題材について、掘り下げた思索が、誰でも読める仕方で展開されています。ブックリストまで付いており、更に読書を進めたい人への配慮も満載です。

若松氏の著作を多く読んだことのある読者にとっても、新たに得ることのできる洞察に充ち満ちています。

今年最大の新書の収穫です。