ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトルドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)
発売日販売日未定
製作者高木 徹
販売元講談社
JANコード9784062750967
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 戦略・戦術

購入者の感想

冷戦後の世界で起きるさまざまな紛争では、当事者がどのような人達で悪いのがどちらなのか、よくわからないことが多い。
誘導の仕方次第で国際世論はどちらの側にも傾く可能性がある。
そのため、世論を味方にひきつける優れたPR戦略がきわめて重要になっている。
ボスニアは、メディアを味方につけることで西側先進国の支援を得て紛争に勝利した。情報戦のテクニックを指導したのは、アメリカのPRマンだった。
アメリカの広告代理店は、他国政府をもクライアントとする。観光誘致や貿易振興といった仕事だけでなく、紛争や戦争のPRもする。

「アメリカには世界中から問題をかかえた国の外相がやってきて、助けてくれ、助けてくれと懇願します。そんなことは日常茶飯事なんですよ。
でも、国民の世論のサポートなしに、いちいち彼らの頼みを聞いてやることはできません。(中略)議会は国民の世論が賛成しない政策には予算をつけません。そして、アメリカ国民に声を届かせるには、なにをおいてもメディアを通して訴えることなんです」
「アメリカを味方につけたければ世論を動かせ。世論を動かすにはメディアを動かせ。」
「泣かない赤ちゃんは、ミルクをもらえない」というボスニア・ヘルツェゴビナのことわざがある。
国際社会に訴えるためには大きな声で叫ばなければならない。そして声の出し方にはテクニックがある。
PRマンがボスニアに教えたテクニックはどのようなものだったのか。
まず、記者が記事にしやすいように気を配った。
実際の現地の事態は複雑で、誰もが被害者であり加害者でもあったが、
「セルビアが悪で、モスレムが善」と味方側に有利になるよう善玉悪玉論でレッテル貼りし、理解しやすく単純な構図にして伝えた。
詳しい事情を一から説明しなかった。視聴者はチャンネルを変えてしまうから。相手の悪い評判をひたすら繰り返すのが良い。
幼稚なでっちあげではなく、事実の中から有利な側面を強調した。本当はモスレム主体の国なのに、我々は多民族国家であると主張したり。

米国はバルカン半島に関わりたくなかった。資源があるわけでもないし利害関係がないから。

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