東京陰陽師~天現寺橋 怜の場合~ の感想

フルコンしました。
兄弟ブランドのメビウスラインは、プレイしていません。

もともと陰陽師や妖怪モノが好きだったのと、OPムービーのカッコよさに心奪われて、久々にゲームを購入しました。

共通ルートは、短いシナリオの依頼を複数こなしていく仕様です。
これは、仕事から帰って一日の終わりに少しずつゲームをすすめる、私のようなタイプには、ちょうどいいシステムでした。
個別ルートへ入ると、各キャラクターの心の傷や弱さなども見えてきて、ますます物語へ引きこまれます。
プレイしている最中は、時間を忘れて、PCの前で萌え(燃え)転がっておりました。

"シナリオ燃え"と"キャラ萌え"が融合した、胸アツでキュンとするゲームでした。
主人公も攻略対象となるキャラクターたちも、それぞれ魅力的で愛しく、みんな大好きになりました。

また、声優陣が唱える呪文(？)が、堪らなくカッコイイです。
それぞれ唱える言葉が違うのですが、キャラや流派、必要な用途に即した呪文になっているようで、よく考えられているなと思いました。
陰陽道や呪術についても裏づけされている部分が多く、シナリオに一定の説得力があるので、物語にも入りこみやすかったです。

他の方も少し触れられていますが、誤字脱字が所々見受けられるので、気になる方は気になると思います。
私はイラストのパース崩れなどより、こういった文章の細かい部分が気になるタイプなので、プレイする前は少し心配でした。
しかし実際にプレイしてみると、物語の展開が気になりすぎて、途中からそれどころではなくなってしまい、脳内補完も余裕となっていました。
意外と、慣れるものですね(笑)

総評として、誤字脱字やスチルの使い回しなど、気になる点は少々あります。
けれど、キャラ萌えとシナリオの満足度が個人的に★５つでは足りませんでしたので、それらを合わせまして、★５つをつけさせていただきました。

●ストーリー
主人公と各キャラクターそれぞれ萌え所があり、非常に綺麗に纏められ、後読感も良い作品でした。
陰陽師という題材を、BLのおまけのような扱いではなくきちんと調べて色々設定を練って活かしていたと感じました。
戦闘シーンも演出、文章とも力が入っていました！迫力、スピード感があり、ちょっとグロテスクな表現の部分もありましたが、なんちゃって戦闘シーンではない、リアルな迫力を演出していて良かったです。
後、呪文詠唱シーンが一杯あるのですが、詠唱台詞、演出、声優さんの演技が合わさり非常に格好良かったです!
戦闘シーンやファンタジーが大好きな私としては大変楽しめました。

本編クリア後に本編後おまけストーリーがプレイできるようになるのですが、本編の疾走感の後に本編後の二人を垣間見る事が出来て心温まりました。

個別ルートに入るまで、「依頼」という形でショートストーリーを選択肢の中から選んでプレイする事によって
攻略キャラの好感度が変化していくというシステムになっているのですが、
主人公が普段どういう仕事をしていて攻略キャラ達から信頼を得ていったのか過程が分かりやすくて良かったです。
が、このショートストーリーの数、全部で26話あるため全て合わせると結構な長さです。
こちらにボリュームを持っていかれるよりは、より面白く攻略キャラとの絡みも多い個別ルートのほうをより長くして欲しかったですね。

バサラはどのルートでも登場率高いですが、個別ルートは大変短いので、実質攻略キャラクターは上大崎、目黒、四谷と考えていた方がガッカリせずに済むと思います。

修正パッチが出ていない現時点では誤字脱字が多いです。
重要なシーンでも結構間違っていて盛り上がっている所に水を差されます…

エロシーンは上大崎2回、目黒3回、四谷2回、バサラ4回、モブその他3回、位でした。

●絵
繊細な画風で、色使いが凄く綺麗でした。

主人公が貞操観念のゆるい、とゆうかほぼ無い設定ですが。
選択肢によって回避可能だし、ほぼ文章や言葉でしか語られないので。
そうゆうのがちょっと苦手でしたが、サラッと楽しめました。
ただやはりそれなりに積極的で、人前でキスしたり、襲ったり、誘ったり、悪巧みしたり。そのくせストレートな言葉に赤面したり、嫉妬したりと、不器用で可愛いツンデレ主人公だと思います。

依頼パートが、話としてはバリエーション豊かですが、少々ワンパターンな感じがしてしまい、回数を重ねるごとにちょっとダレてきました。
選択肢を間違うと、即死亡のbadがほとんどですが、音と文章、ちょっと画面に血糊くらいなので、それほど過激なグロさは多くはないと思います。(ただし一部スチル有)

スチルに関しては、綺麗なものが多いですが、微妙なのも何点かあり。
個人的にはキススチルが残念でした…
ボイスは凄く頑張ってくれてるのに、スチルはそっぽ向いてたり、暗転したり、差分で顔近付けるだけだったり。
もう少しちゃんと描写して欲しかったです。
パースや人物の骨格に違和感を覚える事も何度かあり。
『ここスチル欲しかったなぁ』と思うところも、いくつかありました。
画面の演出は予想以上によく動いて、「おぉ!!」と目を見張りました。

主役の声が好みで購入を決定したので、ボイスや演技に関しては大満足です。
本当にドストライクでした(笑)
キャラクターに対するキャストがピッタリだと思います。

ストーリーは全体的によく纏まってますが。
強大な敵や、世界の危機!!…とゆうものではなく、キャラクターにスポットが当たっているため、壮大さには欠けます。
ですが大きな破綻もなく、キャラ萌えは充分でした。
姉妹ブランドの大正メビウスラインのような壮大さを期待すると、物足りなさを感じるかも知れませんが。

特に何も考えずライトに楽しむ分には、良い作品だと思います。