Science: The Definitive Visual Guide の感想

　DK出版社は、百科事典関係の出版では、素晴らしい写真を豊富に駆使した出版物を、日本では考えられないような費用対効果の優れた形において多く出版しています。本書（512頁）は、科学についてのその決定版のテキストです。

　どういう感じの本か見てみたいという方は、本書そのものではありませんが、DK出版社の『History』（ ISBN-10: 075663119X、612頁）が『世界の歴史 大図鑑』（ISBN-10: 430922492X、611頁）として邦訳されており多くの公共図書館にあると思いますので、それを見ていただき実感していただくことができます。サイズも頁数もほぼ同じ規模の大型の本で、時代順になっている項目の配列や写真の使い方、記事の書き方などの編集方法も本書とほぼ同じです。

　価格は、費用対効果の基準で見れば、非常にお買い得というしかありません。普通サイズの科学入門書の優に数冊分のコンテンツが本書には入っています。日本の1冊200頁くらいの新書に換算すれば6〜10冊分以上のコンテンツでしょうか。しかも、新書サイズの本では決して味わえないすばらしく大きな写真をふんだんに使っての迫力溢れる科学入門書となっています。訴えかけるもの、したがって、そこから学びとることのできる情報の質が、新書や普通サイズの本とはまったく違います。

　本書の邦訳はまだないのではないかと思いますが（失礼しました。ありました。2011年6月出版の『科学大図鑑』ですが、高いですね〜。わたくしにはとても手が出ません。また、翻訳で読むより、わたくしは英語の原文で読みたいと思います。読み手の英語力にもよりますが、おそらく、一般的には、そちらの方が分かりが早く確実ではないでしょうか。ともかく、詳細な内容紹介がありますので、ぜひ、翻訳書の方の頁もご覧になってください。2012.1.9追記）、邦訳が出たとしても、価格は本書の数倍となり、一般の感覚では非常に高価でちょっと手の出ないものとなるのではないでしょうか。それは、上述した、本書の姉妹書とも言うべき『History』の原書とその邦訳『世界の歴史 大図鑑』の価格を比較（3倍以上4倍近い価格差）してみれば一目瞭然かと思います。