昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー) の感想

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参照データ

タイトル昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)
発売日販売日未定
製作者半藤 一利
販売元平凡社
JANコード9784582766714
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

現場の小・中の教職の者に是非読んでおきたい基礎知識。
この段階の歴史のイロハを知らなければ、戦争自体を語れない
と想う。
しかし、第一次世界大戦から、いや強いて言えば日清日露の戦
いから、昭和27年のGHQの撤退までの歴史が、空白の教職員
が9割なのである。少なくとも、昭和の天皇制、内閣、行政、軍部
についての意向を知らずして、如何にして戦争の認否を次世代に
語り継ぎ、平和の意義を教育できるというのか?
是非読んで欲しい、右派・左派と呼ばれたくない、平和を愛する全
ての日本人に…

愛読書は「日本現代史」ねずまさし著(三一書房、1966年版)だが、それは資料も原文が多く読み難い。一方で本書は非常に易しく話し言葉で書かれ、高校生も大学生も読めるようにルビが振られている。近現代史は授業で疎かになっていることから、夏休みの宿題に本書の読書課題は最適であろう。日本は1865年に開国し、懸命に富国強兵を進め40年後に近代国家を完成させた。ところが図に乗り過ぎその40年後の1945年に壊滅した。昭和は戦争の歴史だが、そのキーはまずは満州にある。満州は国防の最大の防衛線であり、資源の乏しい日本に魅力の鉄と石炭があり、移民政策の人口流出先であり、日本の失敗は全てここから出発だ。更に昭和4年の張作霖爆殺事件、昭和5年のロンドン軍縮条約、昭和の方向性がスライスする2大事件だ。軍の常套手段「統帥権干犯」を持ち出す考え方が確立された。陸軍も海軍も「失敗の本質ー日本軍の組織論的研究」(中公文庫)にある通りだ。「ノモンハン事件」で最悪は関東軍参謀の服部卓四郎中佐と辻正信少佐。その後も二人は開戦直前に服部は参謀本部作戦課長、辻は戦力班長で復活した。「インパール作戦」で最悪は第十五軍牟田口廉也中将とビルマ方面軍河辺正三大将だ。海軍でも最悪は開戦直前に軍令部軍務第二課長の石川信吾大佐だ。斯様な輩達を排除出来なかったのが悲劇だ。強気一辺倒の軍部と、閉塞感が国民も戦争風潮に追い立て、愛国心の昂揚、一度動き出せばもう止められない日本だ。以前に「屍(しかばね)の街」大田洋子著(1950年出版)のブックレビューで書いたが、8月6日(広島原爆の日)や8月9日(長崎原爆の日)を知らない者が渋谷辺りに大勢いる。6月23日(沖縄慰霊の日)や8月15日(終戦記念日)も含めて、日本人なら最低限知っておかねばならぬが。

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