神道の逆襲 (講談社現代新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル神道の逆襲 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者菅野 覚明
販売元講談社
JANコード9784061495609
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 神道・祭祀 » 神道

購入者の感想

神道の歴史、教義の変遷、民間伝承などを通して、日本人が神さまとどうかかわってきたかを論考したものである。

本書によると神さまとは、

・あるとき突然どこかからやってくるお客のような存在

・日常の外にある何者か

であるという。また本居宣長は「それが人であれ、動植物であれ、自然現象であれ、ともかくもそのものが、私たちにとって身の毛もよだつような異様なものとして出会われれば、それが神なのだ」といったそうだ。この説明に素直にうなずけるのは筆者だけではないだろう。私たち日本人にとって神さまとは、西洋の宗教とはちがってかなり素朴でかつ曖昧な観念のようである。

日本には宗教がない、といわれる。事実、無宗教を自認する人は多い。しかし、日本人なら誰でも共有しているある種の感覚、たとえば他人の箸を使うのは嫌だ、というような感覚は、単に清潔好きな国民性では片付けられない。熱湯消毒して黴菌がいないことを科学的に保証できても、なんとなく嫌な感じは残る。井沢元彦はこれを「穢れ」であるという。この「穢れ」は仏教にも儒教にもキリスト教ない、日本土俗の信仰(=説明できない感覚)のようなものであるという。

森前首相が「ニッポンは神の国」と発言して物議をかもしたことがあった。そのときは筆者も、不用意な失言をするなぁくらいにしか思っていなかったが、本書を読んで認識が改まった。やはり、日本は神の国である。そうとしかいいようがない。戦前の国家神道が先の戦争のバックボーンになったことへのアレルギーが強すぎると、私たち日本人のそもそものありようを見誤ってしまう。日本人とは何者であるのか、我々はいったい誰なのか。アジア各国や欧米との外交が難しくなっている今、自分の立ち位置を歴史的にも民族的にも正しく理解しなければならない。そんな思いに駆られた。内容は決して平易ではないが、ぜひ一読をお勧めしたい。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

神道の逆襲 (講談社現代新書)

アマゾンで購入する
講談社から発売された菅野 覚明の神道の逆襲 (講談社現代新書)(JAN:9784061495609)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.