しゃべれないあなたは悪くない！　英語力が伸びるホントの方法 の感想

英語は「学ぶ」のではなく「使う」のが大切という主張はまずもって賛成します。現在の英語教育の大部分は間違っているというのも、そのとおりだと思います。なので☆4つ。

一つ足りないのは対象者が曖昧である点です。

おそらく、中学英語はそこそこに学んでいることを前提にしていると思われます。

筆者の勧める辞書を引かない多読にしろ、ラジオ等の流し聞き多聴にしろ、中学が落ちこぼれレベルでは無意味だからです。小学生の子供に英語の絵本を何のヒントもなく与えてわかるようになるか考えれば自明です。「絵」からの推理でストーリーを想像できるかも知れませんが、それは英語と無縁の話ですね。

ネイティブが言葉を学ぶように自然と身につけるためには、24時間どっぷり浸かり、自分が使う言葉を逐一訂正してくれる親がいる環境を4〜5年過ごさなければ無理でしょう。

やはり外国語であり、そこを乗り越えるためには、中学レベルは「学ぶ」必要があるでしょう。優秀で無くてもいいので。

さらに、この本は「日常会話や簡単なメール等を使えるようにするには」という目標だと思います。

大学入試には筆者の否定する細かい知識を仕入れる必要もあるし、ビジネスでのメールでは、ブロークンでは相手にされなかったり、重大な過誤が生じることもあるので、教養として「学び」続ける必要があるでしょう。

「使いながら」という主張は賛成できるものの、このようなターゲットが曖昧で主張が極端であると読めてしまう点で満点にはできませんでした。

内容は良く理解出来ましたが、実際にはしっかりした英文法をきっちり理解した上でないと、会話も含めた英語の能力は伸びないと思います。子供のころから英語を使う環境にいられる場合は、勿論文法はあと回しで良いと思います。大人になって英語を勉強するには、文法と勿論英語の本を読む、聞くこと、書くこと、会話するなど、英語を使うようにすることは、重要なことです。
私は、きちんと文法を学び、同時進行で使うことにに努めたいと思います。

英語学習者があふれ、英語学習教材もあふれているのに、英語が「使える」ようになったという話をなかなか聞かない・・・。
その原因をズバリと指摘し、そこからの脱却方法を教えてくれる１冊です。
しかも、何も難しいことは書いてありません。
あーもっと早く知りたかった！でも遅くないと信じて、今日から少し英語を「楽しむ」べく英語の世界へ漕ぎ出してみようかな。そんな気にさせてくれる本です。
e-bookだけではもったいない。紙の本でも出版してほしいです。0