「ズルさ」のすすめ の感想
参照データ
タイトル | 「ズルさ」のすすめ |
発売日 | 2014-12-25 |
製作者 | 佐藤 優 |
販売元 | 青春出版社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 人生論・教訓 |
購入者の感想
人間存在の哲学的意義を考え抜き、それでいて現実のしがらみにも強い人。
こうした総合知に長けた人として、真っ先に思い浮かぶのが、本書の著者・佐藤優氏である。
本著のタイトルは、ちょっと諧謔的で皮相的な感じがするが、内容は、とても深い。
分かりやすい文章で読みやすいが、その一つ一つが、著者ならではの深い哲学と豊富な体験から生み出されている。
著者が示す処世訓は、各章のタイトルになっている。
「人と比べない」「問題から目をそむけない」「頭で考えない」「時間に追われない」
「酒に飲まれない」「失言しない」「約束を破らない」「恩を仇で返さない」
「嫌われることを恐れない」「人を見た目で判断しない」「上下関係を軽んじない」
以上の11か条である。
各章の末には、それぞれに相応しい著作が2冊ずつ、簡単な内容と共に写真付きで紹介されている。
その最初に、「人と比べない」を考える書物として『資本論』が紹介されているのには、あまりの大著に「うっ」となってしまったが・・・(それ以外は、こんなヘビーな本は紹介されていません。念のため)。
佐藤氏は本来、「信頼」や「恩」など、健全で素朴な価値観を大切にしている敬虔な宗教者である。
しかし、もう一方で、組織や社会が生まれれば、上下関係や権力が生まれるから、「真に平等で自由な社会などというのは幻想にすぎません」と冷徹に分析する現実主義者でもある。
また、現在の新自由主義の経済や社会には、自己愛的なパーソナリティーが適合し活躍しやすい、ともいう。
人間を根源的には信頼しながらも、現実の不可避的な宿痾や、人間の性(さが)を直視したリアリスト。
そんな著者が、現実社会の中で「どう生き抜くか」また、「どう逃げるか」を指南する。
50代半ばの私が今、胸に手を当てて思えば、自ら20代、30代で実際に失敗した事例も紹介されており、少し胸が痛んだ。
「生き甲斐」を最大化する、真のリアリストによる処世術として、特に若い人々に読んでもらいたい良書である。
こうした総合知に長けた人として、真っ先に思い浮かぶのが、本書の著者・佐藤優氏である。
本著のタイトルは、ちょっと諧謔的で皮相的な感じがするが、内容は、とても深い。
分かりやすい文章で読みやすいが、その一つ一つが、著者ならではの深い哲学と豊富な体験から生み出されている。
著者が示す処世訓は、各章のタイトルになっている。
「人と比べない」「問題から目をそむけない」「頭で考えない」「時間に追われない」
「酒に飲まれない」「失言しない」「約束を破らない」「恩を仇で返さない」
「嫌われることを恐れない」「人を見た目で判断しない」「上下関係を軽んじない」
以上の11か条である。
各章の末には、それぞれに相応しい著作が2冊ずつ、簡単な内容と共に写真付きで紹介されている。
その最初に、「人と比べない」を考える書物として『資本論』が紹介されているのには、あまりの大著に「うっ」となってしまったが・・・(それ以外は、こんなヘビーな本は紹介されていません。念のため)。
佐藤氏は本来、「信頼」や「恩」など、健全で素朴な価値観を大切にしている敬虔な宗教者である。
しかし、もう一方で、組織や社会が生まれれば、上下関係や権力が生まれるから、「真に平等で自由な社会などというのは幻想にすぎません」と冷徹に分析する現実主義者でもある。
また、現在の新自由主義の経済や社会には、自己愛的なパーソナリティーが適合し活躍しやすい、ともいう。
人間を根源的には信頼しながらも、現実の不可避的な宿痾や、人間の性(さが)を直視したリアリスト。
そんな著者が、現実社会の中で「どう生き抜くか」また、「どう逃げるか」を指南する。
50代半ばの私が今、胸に手を当てて思えば、自ら20代、30代で実際に失敗した事例も紹介されており、少し胸が痛んだ。
「生き甲斐」を最大化する、真のリアリストによる処世術として、特に若い人々に読んでもらいたい良書である。