体制維新――大阪都 (文春新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル体制維新――大阪都 (文春新書)
発売日販売日未定
製作者橋下 徹
販売元文藝春秋
JANコード9784166608270
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

大阪都構想の説明はわかりやすい。
大阪は「自分の地域のことだけを考える自治型都市」ではなく、「他の地域、地方の面倒を見る、日本を引っ張る大型エンジンでなければなりません」(p.200)という認識にも賛成。
鮮やかな論理は魅力的だ。

だが、引っかかる部分がある。
「僕は、大阪都構想と教育基本条例、職員基本条例はワンセットの戦略だと考えています」(p.54)というが、なぜ「三本立て」でなく「ワンセット」なのか。
システムが自動車、職員がドライバーだから不可分、といった説明をしているが、十分とは思えない。職員の規律の問題はシステムをいじらなくても改善すべきことであり、本来、別の課題だろう。
「三本立て」と言うより「ワンセット」としたほうが、都構想だけでなく他の2つも選挙民のコンセンサスを得ている、と主張しやすい、ということではないのか。
一つの施策を押し出して一点突破した後、他の施策を含めて全面展開する、という方法は必ずしも非難されるべきものではないが、その施策間の関連づけに牽強付会的なものが混じっているなら、その政治手法は危険をはらんでいる。

冷静に見ていきたい政治家だと思う。

橋下徹元大阪府知事と堺屋太一氏の対談があり、それに続いて橋下氏の政治信条に基づく首長としての行動姿勢が分がりやす説明されていた。
行政サイドの理論は「既存の体制およびルール」の枠内でしか行われないので、別の体制やルールでのチャレンジが必要かどうかを判断するのが自治体首長の役目と橋下氏は理解している、それを府民が選挙で選んでいる。だから選挙民のきちんとした判断と投票が重要である。
実は中田元横浜市長の本「政治家の殺し方」の購入時に、合わせて買われている本として紹介されていたので読んでみた。
両者とも色々な新構想や役所の無駄の削減などを志し、次々とマスコミのバッシングを受けている。
マスコミのやり方は、 彼らの権威を傷つけることが目的で、 改革の本筋からははずれ、民主主義の議論のリングの外に引きずり出してパイプ椅子で殴るようである。この巧妙な仕組みについては中田氏の著書で明らかにされている。
両著を一緒に読むことにより地方行政の色々な背景が見えてきて興味深い。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

体制維新――大阪都 (文春新書)

アマゾンで購入する
文藝春秋から発売された橋下 徹の体制維新――大阪都 (文春新書)(JAN:9784166608270)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.