ヤクザと原発 福島第一潜入記 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルヤクザと原発 福島第一潜入記 (文春文庫)
発売日2014-06-10
製作者鈴木 智彦
販売元文藝春秋
JANコード9784167901264
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題

購入者の感想

私は福島県が実家ですが,ムラ社会の記述など,私の肌感覚と非常に合致しており,東京からやってきた記者が,深く,かつ正確に,福島の実態を客観的に描いた本であると断言できます。ぜひみんなに読んで欲しい必読の書。

・線量と汚染度という2つの尺度に対して,線量だけを語り,汚染度を取り上げない報道の矛盾。
・原子力というタブーが,田舎特有のムラ社会を利用することによって守られつづけてきた実態。
・ヤクザの記述はほとんどおまけと思ってよいです。どちらかといえば原発ムラの核心を突くための手段として機能している印象。
・マスコミ側に立つ筆者自身が原発作業員となることで,マスコミの取材する側,取材される側を何度も行き来し,原発報道の真の姿を記述しています。また,作業員でなければわからないような管理区域のディテールが生々しく描かれます。
・東芝やIHIなどのプラントメーカー,実際に作業する第n次下請け業者,フクシマ50に実際にコンタクトをとり,その肉声を綴っています。現場でのヒエラルキーが,作業の劣悪な環境を強いる実態や情報の隠蔽を招いている事実は,マスコミの報道では知りえないところでしょう。
・終末にある一文,"原発を続けるべきか,脱原発にシフトすべきか,筆者は確証をもった答えを出せていない"が印象的です。筆者はあれだけひどい惨状を目の当たりにしながらも,脱原発を確証できない,普通に見て明らかにおかしい思考に染まってしまうフクシマの空気・状況,それこそが今日本を覆っている状況の気がしてなりません。

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文藝春秋から発売された鈴木 智彦のヤクザと原発 福島第一潜入記 (文春文庫)(JAN:9784167901264)の感想と評価
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