少女売買: インドに売られたネパールの少女たち (光文社知恵の森文庫) の感想

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タイトル少女売買: インドに売られたネパールの少女たち (光文社知恵の森文庫)
発売日2014-07-10
製作者長谷川 まり子
販売元光文社
JANコード9784334786526
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

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『少女売買――インドに売られたネパールの少女たち』(長谷川まり子著、光文社知恵の森文庫)は、インドに売られたネパールの少女たちの、暗澹とさせられるドキュメンタリー・リポートである。

「ネパールとインド間の国境を越えて、年間7000人のネパールの幼い少女たちが、人身売買犯罪の犠牲になっている。彼女たちの売られていく先は、ムンバイ、プーナ、デリー、コルカタなど、インド屈指の私娼窟。不衛生極まりない売春宿に到着したその日から、一筋の陽光さえ射さない狭い部屋に軟禁され、性奴隷として日に数十人もの客の相手をさせられることになる。そして、多くの少女がHIVに感染し、果てはAIDSを発症して死んでいく・・・」。

HIVに感染した女性の医療施設における一例は、こう報告されている。「膣内の膿が絶えず流れ出し、クリニックのフロア全体に広がるほどの強い臭気を放つため、カビータはそれをとても気にしていた。・・・医師によれば、カビータはいつも、『ごめんなさい、ごめんなさい』と、医師や看護師に詫びてばかりいるそうだ。臭いを放つ自分を、申し訳なく思っているのだ」。彼女は、間もなく28年の生涯を終えたという。

「少女たちは、その先に何が待ち受けているかを承知の上で、売られていくのではない。彼女たちの親もまた、娘がどのような仕事をさせられることになるかを知らない。表向きはカーペット工場の工員や、インドの中産階級家庭の住み込みメイド、あるいは食堂のウエイトレスといった就職口を斡旋され、村を出ていくのである。仕事を紹介するのは、トラフィッカーと呼ばれる周旋人だ。彼らは、言葉巧みに少女を誘惑し、仲買人を介して売春宿に売りさばく。周旋人がターゲットとするのは、農村地帯の少女が主流だ。貧しい家庭の娘がとくに狙われやすい。・・・貧困家庭では、子どもも重要な労働力だ。幼い頃から農作業や家事、幼い弟妹の世話を担わされ、初等教育も満足に受けられない。無知で純真な少女たちは、貧しい親を助けたいという孝行心や、幼い弟妹におなかいっぱい食べさせてやりたいという兄弟愛、過酷な農作業から逃れたいといった理由から、甘い言葉に夢を抱き、ついていってしまうのである」。ネパールにもカースト制度があり、最低位カーストの女性が、こういう境遇に陥り易いという。

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