バブル (宝島SUGOI文庫 A た 2-1) の感想

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タイトルバブル (宝島SUGOI文庫 A た 2-1)
発売日販売日未定
製作者田中 森一
販売元宝島社
JANコード9784796667104
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 石橋産業に対する手形詐欺事件で許永中と共に逮捕されたヤメ検弁護士田中森一氏とフリーライターの夏原武氏との対談が本になったものである。
 すでに田中氏の弁護士時代については、ベストセラーとなった「反転」で明らかにされているが、本書では、インタビューでしか聞き出せない回答が随所にちりばめられており、「反転」の後に読んで十分に楽しめる内容となっている。

N:「極端に言うと、検察官時代は『死刑だ』と言って、弁護士になったら『無罪だ』と言うわけですよね。矛盾は感じませんでした?」
T:「全然。だって、真実は一つだもの。登山で言うなら、検察は表のルートから登っていって、弁護士は裏のルートから登っていく。それだけだから。『真実』という頂上は同じなのよ。だから、矛盾は感じなかった。」

N「中央の政治家をパクる場合も、同じ(検察がゴーサインを出す)なんですか?」
T:「そういう判断は、検察じゃないと思う。仮に検察が、鈴木宗男をパクりたいと考えていなくても、『鈴木宗男をやりたい』という奴が、一生懸命に検察へ垂れ込んだり、投書したり、マスコミを煽ったりする。そうしたら、検察としては否が応でも、やらざるをえんようになるじゃないの。事件というものは、検察がつくるというよりも、他の誰かがつくってる。」

 「人間のすることだから、四角四面にはいかんのよ。」「人間がやることだから、まあ、しゃあないわね。」「人間の世界だからあるって。」という言葉が頻繁に出てくる。弁護士として数々の事件に関わってきた人間、最後は事件の当事者にされ起訴されてしまった人間の言葉だけに重みがある。

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