そういうふうにできている (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルそういうふうにできている (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者さくら ももこ
販売元新潮社
JANコード9784101388212
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

まさに「ちびまる子ちゃんが出産した!」と言いたくなるほど、ユルい笑いが満載。物事を斜めからみた独特な視点で切り取られた、さくらももこさんによる妊娠&出産エッセイ。
一番笑えたのは、生まれたあとの子どもに対する感想。

帝王切開による出産後、予想していたような「出産後の大感動」が起こらない自分に対して、

「私はこんなにも無感動だったのであろうか。自分の感性の粗末さに軽く失望を抱いた。
傍らのベッドで眠る赤ん坊に、とりたてて特別な愛情さえ湧いてこないのも奇妙な気がしていた。
だが、考えてみれば私は誰に対してもいきなり愛情ホールインワンというふうにならないタチであることを思い出した。

元来人見知りをする方であるし、今日初めて会ったひと(赤ん坊)から「はい、じゃ一発愛情よろしくっ」と言われたからって、さっき会ったばかりなのだから急に愛せるわけがない。」

と正直に表現していて、思わず声を出して笑ってしまった。

帝王切開中に確信した、「脳と心と魂の関係性」のエピソードには感心。スピリチュアルだけど論理的な、さくらももこさん独自の宇宙観が表現されてます。

なんとなく妊婦さんはキラキラとピュアな気もちでいなきゃいけない、みたいな風潮があるけど。そんなふうなキラキラ妊婦さんになりきれないママや妊婦さんには特におすすめです。

結婚後子供が出来ないのに、どうしても「子供が欲しい」という気持ちがわからず悩み続けていて、何か参考になるかもと思い、こちらの本を購入しました。
さくらももこさんの本は初めて買いましたが、文章も面白く、かつ色々な大変だったであろう悪阻、マタニティブルー、帝王切開といった体験も、実に淡々と飄々と書かれていて、妊娠を経験したことがなくても、大変興味深く読むことができました。
同時に、妊娠に至るまでの経過も、出産し子供と対面した後の感情も、冷静に分析されていて、それが私のような人間にはとても救いになりました。そもそも妊娠したのも、夫に急かされて・・・であって、妊娠が判明したときも喜びより不安に襲われる・・・といった描写もあり、子供と初対面したときも盲目的な愛情はわかなかった・・・これだけを書くと、子育ては大丈夫であろうか?と不安に思ったりするが、そこは彼女なりに、実に冷静に分析してあり、人間とはタイトルどおり、いやおうなしに「そういうふうにできている」ものなのだなあと読みすすめると納得して、自分のような「子供が欲しい」と思えない人間でも、出産・子育てを乗り越えられるのではないか・・・と思えるようになりました。

余り書いてしまうとネタバレになるのですが、子供というのは問答無用にかわいく思えるように出来ているのですね。でも少子化が叫ばれ、ママタレがテレビでもてはやされている昨今では、子供というのは産まれる前から可愛くいとおしく、出産は感動的な体験であるという考えばかりが強調されていて、私のような冷静に物事をとらえてしまう人には、半ばそういう感情を強制さえているように思っていました。そういう気持ちというのは、産めば自然にわかるようになるのかも・・・と、この本を読んで思えるようになりました。

そういうキッカケで、この本を手にしたので真面目に感動してしまったのですが、全体としては「ぷっ」と噴出すようなエピソードがあちこちにちりばめてあって、笑い無しには読めない本でした。

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