世界商品と子供の奴隷―多国籍企業と児童強制労働 の感想
参照データ
タイトル | 世界商品と子供の奴隷―多国籍企業と児童強制労働 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 下山 晃 |
販売元 | ミネルヴァ書房 |
JANコード | 9784623053636 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
本書は『インドの債務児童労働』と同じく、子供たちの奴隷化について記したものである。科学技術が高度に発達した現代世界で、子供の誘拐や人身売買、臓器狩り、性的虐待、強制労働がありふれたものとなっていることは何を意味するだろうか。本書に書かれた世界の現実は、人類の残酷さと利己主義を露わに示してくれる。子供の奴隷が多いのはサウジアラビア・タイ・インド・フィリピン・アフリカ諸国などだが、奴隷を工場や農場で酷使して大きな利益を得るのはアメリカに本拠地を置くものが多い、多国籍企業である。
本書は、奴隷制について政府よりも企業・資本主義・グローバリゼーションの責任を追及する。そのことへの批判はできるが、政治家や奴隷所有者だけが悪いのではないという、新しい視点をもたらしてくれる。大企業の経営者と株主、そして安い商品を喜ぶ私たち消費者をも告発している。
「悪いのは誰なのだろうか」。こう問いたくなるが、本当の悪者はなかなか分からない。資本家・経営者・政治家・軍人・地主・消費者……それぞれに責任があり、誰かを罰すれば奴隷制が消えるわけではない。本書には知りたくないことが書かれているかもしれないが、この世界で暮らしている以上、知らなくてはならないことである。読者が一人でも増えてほしいと思う。
本書は、奴隷制について政府よりも企業・資本主義・グローバリゼーションの責任を追及する。そのことへの批判はできるが、政治家や奴隷所有者だけが悪いのではないという、新しい視点をもたらしてくれる。大企業の経営者と株主、そして安い商品を喜ぶ私たち消費者をも告発している。
「悪いのは誰なのだろうか」。こう問いたくなるが、本当の悪者はなかなか分からない。資本家・経営者・政治家・軍人・地主・消費者……それぞれに責任があり、誰かを罰すれば奴隷制が消えるわけではない。本書には知りたくないことが書かれているかもしれないが、この世界で暮らしている以上、知らなくてはならないことである。読者が一人でも増えてほしいと思う。